第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般口演(多領域専門職部門)

一般口演(多領域専門職部門)3
周術期・集中治療における支援-1

Sat. Jul 18, 2015 1:30 PM - 2:15 PM 第7会場 (1F シリウス)

座長:荒木田 真子 (東京女子医科大学病院)

III-TRO-11~III-TRO-15

[III-TRO-13] 心臓超音波および心臓MRIを用いた心臓内幹細胞自家移植療法に伴う心筋ストレイン変化の解析

逢坂 大樹1, 石神 修大1, 後藤 拓弥1, 大月 審一2, 笠原 真悟1, 佐野 俊二1, 王 英正3 (1.岡山大学医歯薬学総合研究科 心臓血管外科, 2.岡山大学医歯薬学総合研究科 小児科, 3.岡山大学新医療研究開発センター 再生医療部)

Keywords:再生医療, 単心室症, 心筋ストレイン

【背景】単心室症に対する外科的シャント手術が行われているが、短期的には手術単独による心収縮能や局所心筋ストレインに有意な機能的変化は認めないとされる。当院では2013年より機能的単心室症患者に対する自己心臓内幹細胞移植の第2相ランダム化臨床試験(PERSEUS trial: NCT01829750)を実施しており、細胞移植後による収縮能改善やBNP値低下を認めるものの、心筋ストレイン(SR)の機能改善は不明である。【目的】本研究では、心臓超音波(UCG)および心臓MRIを用いて細胞移植前後の心筋SRを含む機能変化を明らかにする。【対象・方法】心臓手術+細胞移植群(C群=12名)及び手術単独の対照比較群(N群=17名)に対して、UCGによる心室容量(EDVI、ESVI)、収縮能(EF、FAC)及びTei indexを評価した。さらに心筋SR評価としてUCGでは長軸方向、心臓MRIでは円周方向および中心方向のSR、ストレインレート(SRR)を治療前および治療3か月後に比較検討した。【結果】C群において、3か月後のEFおよびFACの有意な上昇がみられ(EF: P=0.003, FAC: P=0.001)、逆にEDVI及びESVIに有意な低下(EDVI: P=0.0006, ESVI: P=0.00005)がみられた。またC群はN群に比べ、移植後3か月目のTei indexが有意に低値であった(P=0.03)。心筋SRはC群で移植後3か月目の長軸、円周、中心方向全てに有意な上昇がみられ (長軸: P=0.01, 円周: P=0.002, 中心: P=0.03)、さらに長軸、円周方向SRRは、治療後3か月目でC群がN群に比べ有意に高値であり(長軸: P=0.01, 円周: P=0.04)、長軸拡張早期SRRと心房FACもC群で有意な上昇が見られた(SRR: P=0.03, FAC: P=0.04)。これらの心機能改善の指標は、手術単独のN群では認められなかった。【結論】UCGおよび心臓MRI用いた検討により、心臓シャント術単独では術後3か月目において有意な心機能改善効果は認められなかったが、心臓内幹細胞自家移植を併用することで心収縮能を含む心筋ストレインの機能改善が示唆された。