第51回日本小児循環器学会総会・学術集会

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一般口演(多領域専門職部門)

一般口演(多領域専門職部門)3
周術期・集中治療における支援-1

Sat. Jul 18, 2015 1:30 PM - 2:15 PM 第7会場 (1F シリウス)

座長:荒木田 真子 (東京女子医科大学病院)

III-TRO-11~III-TRO-15

[III-TRO-15] 先天性心疾患術後患児において看護師による包括的鎮静管理は離脱症候群の発症を減らせるか

野口 弘稔, 板垣 智昭 (熊本市立熊本市民病院 集中治療部)

Keywords:小児, 鎮静鎮痛, 離脱症候群

【背景】当院ICUでは、鎮静スケールを用いた小児鎮静管理の標準化を目指し、昨年より日本語版State Behavioral Scale(以下SBS)を導入している。しかし、スケール導入後もICUから小児病棟に転棟した後に、中枢神経症状を主体とする離脱症候群と考えられる症状を呈する患児がみられた。そのため鎮静薬の離脱症候群発症低減のために、今回鎮静剤投与量指示からスケール指示に変更することで、離脱症候群の発症率を低減できるのではないかと考えた。【目的】小児心臓外科術後の鎮静剤使用に伴う離脱症候群発生率減少をめざす。【方法】対象:生後6週から6歳までの心房中隔欠損症・心室中隔欠損症の術後患児。A群;患児不穏時の追加鎮静薬使用量の指示により、鎮静管理した『薬剤投与量指示群』B群;主治医が目標とする鎮静深度をSBSで指示してもらい、包括的指示の下に鎮静管理した『スケール指示群』両群における鎮静薬の離脱症候群の発生状況を比較検討する。【結果】1.SBSのスケール評価ではA群は-1が57%、0が19%、B群は-1が58%、0が14%であり、両群における有意差は認められなかった。(P=0.312)2. 離脱症状評価のためのスコアであるModified Finnegan score(以下MFS)はA群4~7点(平均5.6)、B群0~6点(平均3.3)でB群の方が有意にMFSは減少していた。(P=0.019)【考察】今回の結果から看護師による適切な鎮静・鎮痛管理が実践され、さらに医師から鎮静スケール指示を受けることで共通認識を持つことができ、至適鎮静深度が維持できるようになり、離脱症候群の危険性が減少したのではないかと推察される。【結論】今回、両群における薬剤の総投与量とSBSによるスケール評価において、明らかな差はみられなかったものの、MFSによる点数ではB群の方が点数の改善が見られた。医師と協働しチームで共通認識を持つことは重要である。今後は非薬物的な介入も含め、さらなる離脱症候群の発生減少に努めていきたい。