The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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第13回教育セミナー

第13回教育セミナー(13ES)
ステップアップ:不整脈・房室弁

Fri. Jul 8, 2016 3:00 PM - 6:00 PM 第A会場 (天空 A)

座長:
鎌田 雅博(広島市立広島市民病院 小児循環器科)
河田 政明(自治医科大学 とちぎ子ども医療センター・成人先天性心疾患センター)

13ES-01~13ES-06

3:00 PM - 6:00 PM

[13ES-06] ステップアップ:房室弁 房室弁疾患の外科治療

芳村 直樹 (富山大学第一外科 小児循環器外科)

先天性房室弁疾患の外科治療には未解決な問題が多く、challengingな領域である。今回、代表的な房室弁疾患に対する外科治療に関して概説する。
【先天性僧帽弁膜症】
先天性僧帽弁疾患は比較的稀な疾患で、まとまったシリーズの報告はそれほど多くないが、形態の異常が多岐にわたること、他の心疾患を合併する頻度が高いことから、しばしば治療に難渋する疾患群である。外科治療としては当然ながら弁形成術が第一選択術式となる。病変が多岐にわたるため、形成手技も多種多様なものとなる。形成が不可能な高度の弁病変にたいしては人工弁置換術が選択される。人工弁置換術後は、身体の発育に応じて順次、人工弁のサイズアップが必要となる。
【房室中隔欠損症】
左側房室弁狭窄を招来することなくいかに逆流を防止するかが問題となる。不完全型房室中隔欠損の手術は一見単純で容易な手術と考えられがちであるが、房室弁の左右分割線が最初から決まってしまっており、状況に応じて分割線を設定し直すことができないこと、弁や弁下組織の先天異常の頻度が多いことなどから、意外に遠隔期の遺残病変や再手術が多い。完全型房室中隔欠損の弁形成の成否はVSDパッチにより房室弁を正しく分割できるか否かにかかっており、正しい分割が行われないと、その後の形成は決して成功しない。
【単心室症例に対する房室弁の外科治療】
房室弁逆流の存在は、Fontan型手術を目指す単心室症例の予後を著しく悪化させる。特に新生児や乳児早期から手術介入を要する高度の房室弁病変の治療は非常に困難である。数多くの形成手技が考案されているが成績不良で、症例によっては人工弁置換を選択した方が良好な結果が得られることもあると思われる。
【Ebstein奇形】
Ebstein奇形に対する弁形成手技としてはこれまで数多くの術式が考案されてきた。2004年、da Silvaらにより報告されたCone reconstructionは術直後から遠隔期まで、三尖弁逆流が良好に制御され、今後、本疾患に対する標準術式となるのではないかと期待される。