11:05 AM - 11:55 AM
[I-OR107-03] ファロー四徴症術後における心エコーによる右室機能評価―心臓MRIとの比較検討―
Keywords:ファロー四徴症、心エコー、右心機能
【背景】ファロー四徴症心内修復術後(rTOF)の遺残病変では肺動脈弁逆流が特に問題となるが、その評価においては心臓MRI(CMR)による右室容積や駆出率(EF)の計測がGolden standardとされている。右室機能はTAPSE、右室弁輪s'、Myocardial performance index(MPI)、面積変化率(FAC)、 3DエコーでのEFやSpeckle tracking法(STI)によるStrainの有用性が報告され、どの指標が臨床の場で有用であるかは判然としない。【目的】rTOFの右室機能評価における2DE/3DEの各指標を、CMRによるEF(EF-CMR)と比較し、有用性および優位性について検討すること。【対象と方法】2014年2月-2015年12月にCMRおよび2DE/3DEを同時期に施行したrTOF 34例(13.9±6.4歳)。EF-CMRとTAPSE、s’、MPI、四腔像と短軸像のFAC(FAC4, FACs)、STIによる右室全体と右室自由壁の長軸方向(GSl, FWSl)と円周方向(GSc, FWSc)のStrain、3DEによるEF(EF-3DE)を計測し比較検討した。画角の問題からGSc・FWScを解析できたのは14例であった。STI/3DEの画像は超音波装置iE33、S5-1/X5-1/X7-2プローブ(PHILIPS製)にて収集し、解析ソフトQLAB 9.0(PHILIPS製)およびRV Function 2.0(TomTec製)にて解析した。【結果】EF-CMRと有意な相関を示したのはEF-3DE(R=0.67, p<0.001)、FAC4(R=0.59, p<0.001)、FACs(R=0.56, p=0.001)、GSl(R=-0.36, p=0.037)の4指標で、いずれも中等度の相関であった。FWSc(R=-0.51)とGSc(R=-0.49)も負の相関を示す傾向にあった。【考察】2DE/3DEによる右室機能指標のうち、EF-3DEがEF-CMRと最も良い相関を示し、3DEの優位性が示された。2DEではFACとSTIによるStrainが有用と考えられた。TAPSEとs'は右室拡大の影響を受け、EFの変化とは関連しない。さらに短軸像での2DE評価にも有用性があり、rTOFの右室機能においては長軸方向だけでなく円周方向の評価も加味する必要がある。