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[I-OR124-02] 気管・気管支閉塞病変を合併した先天性心疾患(CHD)症例の検討
Keywords:気道閉塞病変合併、気管・気管支軟化症、外科治療
【背景】気管・気管支の閉塞(Airway obstruction: AO)病変はCHDに起因するcyanosis, 心不全と相まって, 患者の病態を複雑化また重症化する.そのため気管内挿管, 気管切開など, 気道に対する介入のみならず, 肺動脈絞扼術, 肺動脈縫縮, 血管輪解除, 大動脈吊り上げ術など, 心血管系に対する処置が必要.【目的】AO合併例の疫学と治療時期, 治療法, またその経過などについて検討, 適切な治療介入時期, 方法を明らかにする.【対象・方法】2005~2016年に経験したAO合併CHD16例につき後方視的に調査.【結果】1) 基礎疾患: absent PV群5例, LR短絡群;VSD3例, TrA1例, 血管輪群6例, 垂直PDA群1例.2) AOの原因: 拡大した肺動脈9例, 血管輪6例, 垂直PDA1例, 等. 3) 症状: 喘鳴, 啼泣時cyanosisから日齢0の重症呼吸不全まで様々. 出現時期: 平均月齢2.1(日齢0~月齢7)で, absent PV群は平均日齢18. AO病変の診断時期: 15/16例は月齢8未満. 胎児診断3例. 4) 診断法: 造影CT(16例), 気管支鏡(4例)等が有用. 5) 呼吸管理: 気管挿管下呼吸管理12例, 気管切開2例. 死亡4例, 術後AO残存1例. 6) 外科治療と予後: absent PV群;肺動脈縫縮を含む心内修復術(ICR)3例, ICR前死亡2例. LR短絡群: VSD2例はICRのみで改善. PAB後死亡1例. TrA1例はRastelli+LPA縫縮(月齢11)後も呼吸不全進行. Ao吊り上げ+異常 InnV切離(月齢22), 異常RSCA切離+気管切開(月齢26)を行い状態が安定. 血管輪群6例は血管輪解除(平均月齢7.8), 垂直PDA1例はPDA切離(日齢29)で改善. 【考察・結論】基礎疾患(absent PV), 術前人工呼吸管理, ICR未実施が気道予後の難渋予測因子. 症状改善には早期の気道圧迫解除が必要であり, 早期診断と心血管系への積極的介入が必要である.