第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

一般口演

肺循環・肺高血圧・呼吸器疾患

一般口演1-24(I-OR124)
肺循環・肺高血圧・呼吸器疾患

2016年7月6日(水) 14:35 〜 15:55 第F会場 (シンシア サウス)

座長:
中山 智孝(東邦大学医療センター大森病院 小児科)
稀代 雅彦(順天堂大学医学部 小児科・思春期科学教室)

I-OR124-01~I-OR124-08

14:35 〜 15:55

[I-OR124-06] 小児肺動脈性肺高血圧における急性血管反応と治療5年後の状態についての検討

福山 緑, 岩朝 徹, 山田 修, 大内 秀雄, 白石 公 (国立循環器病研究センター 小児循環器科)

キーワード:肺高血圧、急性血管反応、肺血管抵抗

【背景】小児の特発性肺動脈性肺高血圧(IPAH)において、急性血管反応と予後についての報告は乏しい。今回我々は小児IPAHの治療前~初期の急性血管反応をもとに、治療中期(治療開始から5年間)のIPAHの治療効果について後方視的に検討を行った。【方法】対象は当科で2000年~2015年の間に初診の小児IPAH患者14名。初回カテーテル検査時行った酸素負荷あるいは一酸化窒素吸入負荷で、20%以上の肺血管抵抗の減少または平均肺動脈圧低下を認めたものを反応群(R群)とし、R群9例・反応なし群(NR群)5例で検討を行った。【結果】R群では、5年の治療経過中死亡例はなかったが、NR群では2名が死亡した。血行動態については、R群では治療5年目での平均肺動脈圧・肺血管抵抗に有意な改善(p<0.05)が見られたが、NR群では有意な改善は得られていなかった。NR群でも心係数については有意に上昇していた。【考察】急性血管反応例では5年後に有意な肺循環の改善が得られ、非反応例より予後が良いことが示唆された。急性血管反応非反応例では、より早期からの強力な治療が必要であると考えられた。