09:35 〜 10:25
[I-OR127-05] 冠動静脈瘻における冠動脈計測による肺体血流比の推定
キーワード:冠動静脈瘻、Qp/Qs、Z score
【背景】冠動静脈瘻(CAVF)における肺体血流比(Qp/Qs)に影響する因子や意義についての検討は多くない。
【目的】CAVFのある冠動脈の起始部拡大は、Qp/Qsを反映すると仮定し、検証した。
【方法】当院で心臓カテーテル検査を行ったCAVF 18例を対象とした。冠動脈(CA)起始部は、心エコーおよび心臓カテーテル検査の造影で計測し、Z-scoreで評価した。心室収縮能はdp/dt maxで評価した。
【結果】CAVF 18例のうち起始部は右冠動脈(RCA)10例、左冠動脈(LCA)8例で、開口部はRAが7例、RVが7例、主肺動脈(MPA)が2例、左室(LV)が2例であった。Qp/Qsは、心エコーでのCA起始部Z-scoreと有意な正の相関関係をみとめた。(Qp/Qs=0.048*Z-score+0.87,R=0.70, P<0.001)心エコーで計測したCA起始部のZ-scoreは心臓カテーテル検査での計測値と正の相関を認めた。(R=0.74, P<0.001)経時的に観察することが出来た4例において、Qp/Qsの増加とともにZ scoreの増大を認めた。開口部によるQp/Qの差はなく、開口部の圧とQp/Qsに相関はなかった。心室に開口している群では、心室stiffnessと負の相関傾向を認めたが、心室dp/dt maxは関係していなかった。
【考察】経時的な変化から、Qp/Qsが増大することにより冠動脈拡大を来していると考えられた。一方、CAVFにおいて、Qp/Qsは心室収縮能とは必ずしも相関しておらず、臨床症状や心筋シンチなど他検査をあわせて介入の必要性について判断することが重要と考えられた。
【結論】CAVFでは心エコーでの冠動脈起始部のZ-scoreは、経過観察を行う上で簡便かつ有用な指標であることが示唆された。
【目的】CAVFのある冠動脈の起始部拡大は、Qp/Qsを反映すると仮定し、検証した。
【方法】当院で心臓カテーテル検査を行ったCAVF 18例を対象とした。冠動脈(CA)起始部は、心エコーおよび心臓カテーテル検査の造影で計測し、Z-scoreで評価した。心室収縮能はdp/dt maxで評価した。
【結果】CAVF 18例のうち起始部は右冠動脈(RCA)10例、左冠動脈(LCA)8例で、開口部はRAが7例、RVが7例、主肺動脈(MPA)が2例、左室(LV)が2例であった。Qp/Qsは、心エコーでのCA起始部Z-scoreと有意な正の相関関係をみとめた。(Qp/Qs=0.048*Z-score+0.87,R=0.70, P<0.001)心エコーで計測したCA起始部のZ-scoreは心臓カテーテル検査での計測値と正の相関を認めた。(R=0.74, P<0.001)経時的に観察することが出来た4例において、Qp/Qsの増加とともにZ scoreの増大を認めた。開口部によるQp/Qの差はなく、開口部の圧とQp/Qsに相関はなかった。心室に開口している群では、心室stiffnessと負の相関傾向を認めたが、心室dp/dt maxは関係していなかった。
【考察】経時的な変化から、Qp/Qsが増大することにより冠動脈拡大を来していると考えられた。一方、CAVFにおいて、Qp/Qsは心室収縮能とは必ずしも相関しておらず、臨床症状や心筋シンチなど他検査をあわせて介入の必要性について判断することが重要と考えられた。
【結論】CAVFでは心エコーでの冠動脈起始部のZ-scoreは、経過観察を行う上で簡便かつ有用な指標であることが示唆された。