The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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パネルディスカッション

パネルディスカッション7(I-PD07)
小児循環器領域の集中治療

Wed. Jul 6, 2016 4:45 PM - 6:15 PM 第E会場 (シンシア ノース)

座長:
黒嵜 健一(国立循環器病研究センター 小児循環器集中治療室)
大崎 真樹(静岡県立こども病院 循環器集中治療科)

I-PD07-01~I-PD07-04

4:45 PM - 6:15 PM

[I-PD07-04] Cardiac ICUにて心肺蘇生を要した症例の検討

長谷川 智巳1, 黒澤 寛史1, 大嶋 義博2, 田中 敏克3 (1.兵庫県立こども病院 集中治療科, 2.兵庫県立こども病院 心臓血管外科, 3.兵庫県立こども病院 循環器科)

【背景】  当院cardiac ICU(CICU)は、心臓外科医と小児循環器医による集中治療管理を長年行ってきたが、今年新病院移転を機に集中治療医がその管理を担う。重症心疾患症例も多く、これまでを振り返って今後の課題を検討していく中で、今回CICUで心肺蘇生(CPR)が必要となった症例を検討した。【方法】  2013年1月から2015年12月までに当院CICUに入室した913症例のうち、急変により胸骨圧迫を含むCPRを要した24症例を対象として後方視的な検討を行った。CPR時年齢 中央値10ヵ月(1日~5.6才)、体重 4.2kg (2.4~12.8kg)。基礎心疾患は、完全型房室中隔欠損症8例、左心低形成症候群4例、ファロー四徴症3例、単心室症3例、その他6例。遺伝子疾患は、21trisomy 4例、22q11.2欠失2例。心臓手術後急性期症例は9例(肺動脈絞扼術3例、体肺動脈短絡術2例、二心室修復術2例、Glenn/Fontan型手術1例ずつ)。【結果】  ICU入室全症例に対するCPR症例は2.6%、CPR時間 9分15秒(1.5~73分)。患者急変の主因は、循環不全16例(低心拍出量症候群7例、不整脈4例、高肺血流性2例、敗血症性2例、心タンポナーデ1例)、換気不全8例(抜管後呼吸困難3例、気道出血2例、気管狭窄1例、肺炎1例、肺気腫1例)。気管内吸引や鎮静剤静注を契機とした急変に対するCPRが2例ずつあり、当直医管理となる夜間・休日の急変に対するCPRが18例(75%)であった。24例中9例(37.5%)がECMO導入となり、CPR開始からECMO導入までの時間は56分(25-68分)、ECMO期間は7日(1~34日)。CPR後ICU滞在中の死亡を7例(うちECMO症例4例)に認め、30日生存率は74.2%。【結論】  低心肺機能に伴う不可避的な急変によってCPRが必要となる症例は当然あるが、基本処置や薬剤投与に伴う急変は回避し得る。またECMO導入までの時間短縮は今後の課題である。当院ではマンパワーが手薄となる時間帯の急変が多く、ICU専従の集中治療医による集中治療管理に今後の改善を期待する。