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[I-S01-03] 小児重症心不全症例の病院間連携の経験
【背景】重症心不全症例の移植や心室補助装置(以下VAD)は実施施設が限られているため、病院間連携が必須である。【目的】当施設の病院間連携の現状を明らかにする。【方法】2014年1月から2016年1月の間に、移植やVADを含めた心不全治療を検討した15歳未満症例の診療情報を後方視的に検討する。【結果】対象は31例で内訳は、拡張型心筋症16例、その他の心筋症6例、心筋炎後2例、先天性心疾患7例(単心室修復3例)であった。紹介時年齢は1歳2か月(月齢1~14歳)であった。転帰の判明している症例は27例で、移植到達4例(国内2例)、移植待機登録は移植到達例を含めて11例、死亡7例(待機登録2例)あった。VAD到達は9例(EXCOR 4例、Nipro-Toyobo 1例、遠心ポンプ2例、Jarvik2000 2例)、ECMO装着症例が1例であった。希望にも関わらず移植登録に至らない例は11例あり、医学的な適応外と判断した例は7例あった。EXCOR装着を目指した症例は6例あったが、装着に至った症例は4例(うち、1例は他施設で装着)であった。4例中1例は遠心ポンプからEXCORへのconversion、2例は人工呼吸器管理、1例はCPAPを要していた。装着に至らなかった2例は当院搬送直前にECMO装着された例、挿管された例であった。前者は遠心ポンプVADで約390日間生存し、後者は当院搬送翌日にEXCOR装着直前の急変で多臓器不全のために死亡した。また、国内に装着可能なEXCORがないために遠心ポンプVADを行い(他施設)、治療中に死亡した例が1例あった。【考察】EXCORの適応判断については、原疾患、合併症有無の評価を含めて病院間連携が必須である。また搬送リスクの大きな例もあり、搬送日やVAD装着予定日も含めて周到な病院間連携が求められる。EXCOR実施施設間の連携も今後の課題である。