The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

カテーテル治療2

一般口演1-12(II-OR112)
カテーテル治療2

Thu. Jul 7, 2016 1:00 PM - 1:50 PM 第D会場 (オーロラ イースト)

座長:
鎌田 政博(広島市立広島市民病院 循環器小児科)

II-OR112-01~II-OR112-05

1:00 PM - 1:50 PM

[II-OR112-02] 経皮的心房中隔欠損閉鎖術後の血小板数減少は平均血小板容積と関連する.

高室 基樹, 長谷山 圭司, 石田 まどか, 横澤 正人 (北海道立子ども総合医療・療育センター 小児循環器内科)

Keywords:経皮的心房中隔欠損閉鎖術、血小板減少、MPV

【背景】経皮的心房中隔欠損閉鎖術(ASO)後に一過性の血小板減少を認めることがある。我々は、第27回JPICで減少率は血小板数と負の相関をすると報告した。【目的】ASO後の血小板数減少率と血小板プロファイルおよび凝固系との関連を検討する。【対象】2011年9月から2016年8月まで当科でASOを留置した39例。【方法】術前、退院前、1カ月後、3カ月後、6カ月後の血小板数と術前の平均血小板容積(Mean Platelet Volume, MPV)、フィブリノゲンを比較し、術前値に対する減少率とMPVおよびフィブリノゲンとの一次相関を求め、F<0.05を有意とした。【結果】留置時年齢6~40(中央値12.7)歳、肺体血流比0.9~2.4(平均1.7)、デバイスサイズは7~22(中央値12)mmであった。血小板数は術前14.9~35.3(平均23.8)万、退院前9.9~27.9(平均17.5)万、1カ月後16.2~38.1(平均23.1万)、3カ月後14.9~34.1(平均25.2)万、6カ月後15.1~38.6(平均25.2)万で、分散分析で群間に有意差を認めた(p<0.01)。退院前の血小板減少率は退院前-16.8~65.0(平均25.4)%であった。血小板減少率と術前の肺体血流比、デバイスサイズ、体表面積との間に相関はなかった。血小板減少率は術前血小板数と正の相関(F=0.006, R2=0.19)を認め、MPV(F=0.001, R2=0.22)およびフィブリノゲン(F=0.01, R2=0.485)と負の相関を示した。【考察】シェアレイトの低い静脈系での血小板凝集は血小板活性に依存し、主なリガンドはフィブリノゲンであることが近年明らかにされた。MPVは血小板活性を反映し、その高値は血栓症の危険因子であると報告されている。ASO後の血小板減少においては、MPVが大きい、すなわち活性化した血小板が多いことにより、少数の血小板消費で閉鎖が完了する可能性が示された。静脈系ではフィブリノゲンが血小板凝集に大きな役割を果たしており、濃度が高いことで多くの血小板が凝集したと考えられた。