The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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一般口演

心不全・心移植

一般口演1-17(II-OR117)
心不全・心移植

Thu. Jul 7, 2016 10:50 AM - 11:40 AM 第C会場 (オーロラ ウェスト)

座長:
朴 仁三(東京女子医科大学心臓病センター 循環器小児科)

II-OR117-01~II-OR117-04

10:50 AM - 11:40 AM

[II-OR117-03] 右心室におけるreverse remodelingの検討

浦島 崇, 糸久 美紀, 河内 文江, 藤本 義隆, 森 琢磨, 伊藤 怜司, 河内 貞貴, 藤原 優子, 小川 潔, 南沢 亨 (東京慈恵会医科大学 小児科)

Keywords:線維化、右心肥大、肺動脈絞扼術

【背景】姑息的手術として行われる肺動脈絞扼術(PAB)は右室肥大を呈するがその可逆性に関する検討は過去にほとんどない。【目的】肺動脈絞扼術モデルラットのbandを術後2週間後に除去することにより右室心筋のreverse remodelingの詳細を組織学的に明らかにする。【方法】150-200gのSDラットに肺動脈絞扼術を施行し右室圧負荷モデルを作成した。術後2週間に心エコーを施行し右室―肺動脈の圧差が80mmHg以上をさらに重度の三尖弁逆流と心室中隔の平定化を伴うラットを成功例として再開胸を行いbandの解除(deband)を行った。さらに2週間後に心エコーを施行し右室―肺動脈の圧差が40mmHg未満のものを成功例として組織学的、分子生物学的検討を行った(n=8)。対象はsham(n=8), PAB2週(n=12)、PAB4週(n=12)とした。心拍出量はエコーから推定した。【結果】右室重量;右室線維化率;心拍出量はsham群130±23mg;3.0%;91ml/min、PAB2週群358±30mg;6.9%;72ml/min、PAB4週群422±68mg;13.1%;45ml/min、deband群229±41mg;8.2%;87ml/minであった。Procollagen3, CTGFはPAB2週, PAB4週両群で有意な上昇(P<0.01)を認めた。右室線維化率はPAB4週と比較してdeband群で有意に低下した(P<0.01)。右室拡張末期面積はdeband後に有意に低下した(P<0.005)。【考察】右室肥大、右心機能は共にBandの解除によって改善を認めた。肥大と異なり線維化は改善を認めず不可逆的な変化と考えられた。右心室のEFと線維化は強い相関関係にあり右心室EFが低下した時点では線維化が著明に進行していると考えられた。ラットでは血中ペリオスチンは心筋線維化との相関性が認められることが報告されており右心機能のバイオマーカーとして有用な可能性がある。