15:35 〜 16:25
[II-OR201-01] Norwood手術における補填物使用と完全自己組織再建
キーワード:左心低形成症候群類縁疾患、Norwood手術、大動脈再建
【背景】Norwood手術を施行する際、大動脈再建素材としてグルタルアルデヒド固定自己心膜や異種心膜、ePTFE棟の人工物が用いられているが、それら非自己組織のdurabilityに懸念を持つならば、自己組織のみの吻合で完結する、DKS+EAA型の再建も選択肢となる。当院では、使用可能な自己組織の量と質、周囲構造物と再建大動脈の位置関係を考慮しつつ、補填物使用と自己組織のみの再建を使い分けている。
【目的】自己組織のみの大動脈再建と補填物使用について、遠隔期から見た問題点の有無を確認する。
【方法】診療録に基づく後方視的評価。術式ベースで症例収集した。Norwood手術施行対象期間は1998年7月から2013年6月。
【結果】対象期間中96例にNorwood手術を施行した。自己組織再建したもの32例、補填物使用64例。補填物内訳は自己心膜34例、異種代用心膜24例、人工血管4例、不明2例。自己心膜はすべてグルタルアルデヒド固定して使用した。術後・遠隔期に大動脈狭窄が問題となり、手術介入したものは自己組織再建例に4例(12.5%)、補填物使用例に4例(6.3%)。遠隔期に新大動脈弁に対する介入手術を行う際、手術操作上の必要性から上行大動脈を人工血管で補完したものが自己組織再建例に2例(6.3%)。大動脈弓下スペースの狭小化により、肺動脈狭窄をきたしたものが補填物使用例に6例(9.4%)、うち5例で手術介入し(肺動脈形成1例、拡大した大動脈の縫縮3例、人工血管による大動脈延長1例)、1例でPAに対するカテーテル治療を繰り返して対応した。
【考察・結語】完全自己組織再建例では大動脈周囲構造への干渉を呈したものはなく、Norwood手術時に無理な吻合形態に起因する狭窄や周囲構造への圧迫を作らなければ、その後は周囲構造との位置関係を保った成長が期待できる。補填物使用例では大動脈拡大や弓部形態の変化等、周囲構造との干渉の発生について、注意深く経過を追う必要がある。
【目的】自己組織のみの大動脈再建と補填物使用について、遠隔期から見た問題点の有無を確認する。
【方法】診療録に基づく後方視的評価。術式ベースで症例収集した。Norwood手術施行対象期間は1998年7月から2013年6月。
【結果】対象期間中96例にNorwood手術を施行した。自己組織再建したもの32例、補填物使用64例。補填物内訳は自己心膜34例、異種代用心膜24例、人工血管4例、不明2例。自己心膜はすべてグルタルアルデヒド固定して使用した。術後・遠隔期に大動脈狭窄が問題となり、手術介入したものは自己組織再建例に4例(12.5%)、補填物使用例に4例(6.3%)。遠隔期に新大動脈弁に対する介入手術を行う際、手術操作上の必要性から上行大動脈を人工血管で補完したものが自己組織再建例に2例(6.3%)。大動脈弓下スペースの狭小化により、肺動脈狭窄をきたしたものが補填物使用例に6例(9.4%)、うち5例で手術介入し(肺動脈形成1例、拡大した大動脈の縫縮3例、人工血管による大動脈延長1例)、1例でPAに対するカテーテル治療を繰り返して対応した。
【考察・結語】完全自己組織再建例では大動脈周囲構造への干渉を呈したものはなく、Norwood手術時に無理な吻合形態に起因する狭窄や周囲構造への圧迫を作らなければ、その後は周囲構造との位置関係を保った成長が期待できる。補填物使用例では大動脈拡大や弓部形態の変化等、周囲構造との干渉の発生について、注意深く経過を追う必要がある。