The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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パネルディスカッション

パネルディスカッション2(II-PD02)
右心バイパス手術の適応と限界

Thu. Jul 7, 2016 4:50 PM - 6:20 PM 第A会場 (天空 A)

座長:
山岸 正明(京都府立医科大学小児医療センター 小児心臓血管外科)
中野 俊秀(福岡市立こども病院 心臓血管外科)

II-PD02-01~II-PD02-05

4:50 PM - 6:20 PM

[II-PD02-04] Fontan術後PLEへの治療介入

清水 美妃子, 朝貝 省史, 篠原 徳子, 稲井 慶, 中西 敏雄, 朴 仁三 (東京女子医科大学 循環器小児科)

背景 蛋白漏出性胃腸症は、予後不良のFontan術後合併症として知られているが、移植以外に有効な治療法は確立されていない。目的 PLEに対する有効な治療法を模索する方法 当院で管理しているPLEの症例20例の内、生存している12例をPLE改善群と非改善群に分けて後方視的に検討した。検討項目は、患者背景、心臓カテーテル検査所見、PLE発症後に加えた治療。結果 2群間に患者背景に差はなく、術前の条件にも有意差はなかった。PLEに対する治療薬で、改善群に有意に高頻度に使用されていたのはACE阻害剤(7例中4例57%)であった。カテーテル結果では、房室弁逆流の有無に差はなかったが、改善群では拡張末期容積が低下(94±12→71±31%)し、非改善群では増加(87±19→105±28%)していた。収縮期血圧は、改善群では不変(93±17→91±13mmHg)だったが非改善群では経時的に上昇(91±10→107±14mmHg)していた。考察 房室弁逆流の有無にかかわらず、ACE阻害剤による治療が入った患者でPLEが改善している症例が多かった。Fontan術後は体血管抵抗が高く、心負荷の要因となり得ることから、積極的な体血管拡張療法が、PLEの治療にも有用であった可能性がある。結論 改善をみたPLE患者でACE阻害剤の頻度が高かった。PLE治療の標的として体血管拡張が有効である可能性が示唆された。