4:50 PM - 6:20 PM
[II-PD02-04] Fontan術後PLEへの治療介入
背景 蛋白漏出性胃腸症は、予後不良のFontan術後合併症として知られているが、移植以外に有効な治療法は確立されていない。目的 PLEに対する有効な治療法を模索する方法 当院で管理しているPLEの症例20例の内、生存している12例をPLE改善群と非改善群に分けて後方視的に検討した。検討項目は、患者背景、心臓カテーテル検査所見、PLE発症後に加えた治療。結果 2群間に患者背景に差はなく、術前の条件にも有意差はなかった。PLEに対する治療薬で、改善群に有意に高頻度に使用されていたのはACE阻害剤(7例中4例57%)であった。カテーテル結果では、房室弁逆流の有無に差はなかったが、改善群では拡張末期容積が低下(94±12→71±31%)し、非改善群では増加(87±19→105±28%)していた。収縮期血圧は、改善群では不変(93±17→91±13mmHg)だったが非改善群では経時的に上昇(91±10→107±14mmHg)していた。考察 房室弁逆流の有無にかかわらず、ACE阻害剤による治療が入った患者でPLEが改善している症例が多かった。Fontan術後は体血管抵抗が高く、心負荷の要因となり得ることから、積極的な体血管拡張療法が、PLEの治療にも有用であった可能性がある。結論 改善をみたPLE患者でACE阻害剤の頻度が高かった。PLE治療の標的として体血管拡張が有効である可能性が示唆された。