9:25 AM - 10:05 AM
[II-TOR02-02] 先天性心疾患をもつ新生児の体温管理における罨法の影響―5例による体温・室温・湿度との関係性の検討―
Keywords:体温管理、先天性心疾患、新生児
【背景・目的】先天性心疾患児の体温管理では、心負荷を軽減するために中枢-末梢温度較差を適切に保つ必要がある。特に新生児の場合は、体温調節機能が未熟であり、看護師は体温管理に困難を感じていることが調査によりわかった。そこで本研究は、具体的な体温管理方法を確立させる一助として、罨法の影響に焦点を当て、体温・室温・湿度との関係性を後方視的に検討した。
【方法】2014年9月~12月の間にNICUに入院した術前の先天性心疾患をもつ新生児5名を対象とし、罨法・体温・室温・湿度の記録データを取得し、分散分析および多重比較を行った。抗生剤使用中のデータは含まない。体温は腋窩温で統一され、室温・湿度は患児の近くに設置した同一のデジタル温度計により、約3時間毎に、ほぼ同時に測定されている。温罨法は乾熱式ホットパックとRadiant Warmer(以下RW)、冷罨法は冷却パックを対象とした。本研究は施設の承認を得て実施した。
【結果】全測定316回中、罨法の使用はホットパックのみが75回(24%)で最も多かった。体温の平均値は、罨法なし37.1℃、ホットパックのみ37.1℃、RWのみ37.0℃で、全体の37.1℃に近似していた。また、冷却パック使用時は37.4℃で有意に高く、ホットパックとRWの併用時は36.7℃で有意に低かった(p<0.05)。湿度は、平均値の個人差が大きかった(35.1%~52.9%)が、ホットパックのみ使用時は個々の平均値から7.5%(SE1.2)上昇しており、罨法なし-1.6%(SE0.8)と比較して有意に高かった(p<0.05)。体温・室温・湿度の間には有意な相関関係は見られなかった。
【考察】ホットパックの使用は、腋窩温が低いときに限らないことから、末梢温の上昇を目的として選択されることが多いと考える。また、ホットパックのみ使用した場合に湿度が高いという結果から、中枢-末梢温度較差と新生児期に最も多い不感蒸泄について検討する必要性が示唆された。他の疾患や年齢期とも比較検討したい。
【方法】2014年9月~12月の間にNICUに入院した術前の先天性心疾患をもつ新生児5名を対象とし、罨法・体温・室温・湿度の記録データを取得し、分散分析および多重比較を行った。抗生剤使用中のデータは含まない。体温は腋窩温で統一され、室温・湿度は患児の近くに設置した同一のデジタル温度計により、約3時間毎に、ほぼ同時に測定されている。温罨法は乾熱式ホットパックとRadiant Warmer(以下RW)、冷罨法は冷却パックを対象とした。本研究は施設の承認を得て実施した。
【結果】全測定316回中、罨法の使用はホットパックのみが75回(24%)で最も多かった。体温の平均値は、罨法なし37.1℃、ホットパックのみ37.1℃、RWのみ37.0℃で、全体の37.1℃に近似していた。また、冷却パック使用時は37.4℃で有意に高く、ホットパックとRWの併用時は36.7℃で有意に低かった(p<0.05)。湿度は、平均値の個人差が大きかった(35.1%~52.9%)が、ホットパックのみ使用時は個々の平均値から7.5%(SE1.2)上昇しており、罨法なし-1.6%(SE0.8)と比較して有意に高かった(p<0.05)。体温・室温・湿度の間には有意な相関関係は見られなかった。
【考察】ホットパックの使用は、腋窩温が低いときに限らないことから、末梢温の上昇を目的として選択されることが多いと考える。また、ホットパックのみ使用した場合に湿度が高いという結果から、中枢-末梢温度較差と新生児期に最も多い不感蒸泄について検討する必要性が示唆された。他の疾患や年齢期とも比較検討したい。