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[JJS-05] ファロー四徴症修復後遠隔期の大動脈疾患
ファロー四徴症に代表されるConotruncal anomalyにおいて遠隔期に起こってくる大動脈疾患は正常結合心におけるそれとは診断、治療体系において異なる点が多いがそのことに対する認知はいまだ低く、大動脈弁閉鎖不全の無い上行大動脈拡大に対して通常の大動脈瘤の適応で手術される可能性がある。いわゆる”5cm rule”に乗っ取って手術がなされれば多くのファロー四徴症術後遠隔期の症例が上行and/or 弓部置換手術を受けることになる。しかしながらファロー四徴症の大動脈解離や大動脈瘤の破裂はゼロではないものの実はきわめてまれであるとされている。文献的には心内修復後のファロー四徴症の5%前後に大動脈弁閉鎖不全が合併し1-2%では外科的介入が必要とされている。リスク因子は肺動脈閉鎖、男性、修復術時年齢、シャントから修復術までの期間、右側大動脈弓などが挙げられている。当センターにおいてこれまでConotruncal anomaly 修復術後に大動脈弁、大動脈基部に対して手術介入を行ったのは19例 (AVR 16回、Bentall 2回)、初回に8例でAVRと修復術を同時におこなった。内訳はTF 5例、PAVSD 7例、Truncus 6例、TGA 4例、DORV PS 2例、TA 2例であった。男女比は10:16、初回手術年齢は平均4.9歳、修復術から大動脈関連手術までの平均年数は13年であった。死亡例なし。初回手術年齢が高いこと、PAVSDでの頻度が高かった。チアノーゼ期間が大動脈の拡大に寄与する因子であることは間違いないものの、病理組織学的にはMucoid堆積とElastinのFragmentationが乳幼児期であってすでにみられ、大動脈の拡大があるものの、修復術により大動脈の拡大は乳児期に修復すれば2年以内に正常化するという報告もあり、より早い修復術への一つのDriving forceとなる。