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[P02-01] 血小板活性は先天性心疾患の病態と関連する
キーワード:血小板活性、先天性心疾患、術後
【背景】フォンタン術後では血小板機能の亢進が見られるとする報告がある一方、先天性心疾患全体での報告は少ない。血小板活性を反映する平均血小板容積(MPV)は一般検血で測定でき簡便な検査である。【目的】血小板数と機能を先天性心疾患病態別に比較する。【方法】対象は2014年から15年に行った271例、326回の心臓カテーテル検査。入院時血小板数(Plt)、MPVと心臓カテーテル検査データの関連を、未手術(N)群、グレンを含む短絡術後(Sh)群、フォンタン(F)群、ラステリ(R)群、ラステリ術を除く二心室修復(BVR)群に分けて検討した。【結果】全体のMPVはPltと負の相関(R2=0.30, F<0.001)を認めたが、BNP、Qp/Qs、平均肺動脈圧(mPAP)との相関はなかった。Plt(万/μl)、MPV(fl)はBVR群28.8、9.7、F群22.0、10.7、R群18.3、10.9、N群32.4、9.3、Sh群30.4、9.4で、一元配置分散分析で有意な群間差を認めた(p<0.001)。PltとMPVはF群とR群がBVR群に比し有意に大きく、F群とR群に有意差はなかった。F群のMPVとmPAP、BNP、SaO2に相関はなかった。SaO2が平均80.6(54から89)%のSh群(n=23)では97.2(86から100)%のBVR群(n=88)に比べMPVが有意に小さかった(9.4 vs 9.7, p=0.046)。N群でQp/Qs>1.5と肺血流増加群(n=71)と遺残短絡のないBVR群(n=70)でPlt(32.2 vs 28.6, p=0.04)、MPV(9.2 vs 9.7, p<0.001)ともに有意差を認めた。N群内でmPAP20mmHg未満群(n=91)と以上のPH群(n=37)でMPVに有意差はなかった。【考察】フォンタン術後、ラステリ術後ではMPVが大きく血小板の活性化が示唆された。いずれも血栓症に注意すべき病態であり、MPVが血栓症の予測因子になりうるかについて検討を要する。一方、チアノーゼと肺血流増加はいずれもMPVが小さく活性は亢進していないことが示唆された。