The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

一般心臓病学2

ポスターセッション(P02)
一般心臓病学2

Thu. Jul 7, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
片岡 功一(自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児手術・集中治療部)

P02-01~P02-06

6:00 PM - 7:00 PM

[P02-02] 小児心臓カテーテルにおける高感度心筋トロポニンIの測定意義

横澤 正人1, 澤田 まどか1, 長谷山 圭司1, 高室 基樹1, 新井 洋輔2, 夷岡 徳彦2, 春日 亜衣3, 畠山 欣也3, 布施 茂登4, 和田 励5, 堀田 智仙6 (1.北海道立子ども総合医療・療育センター 小児循環器内科, 2.北海道立子ども総合医療・療育センター 小児心臓血管外科, 3.札幌医科大学 小児科, 4.NTT東日本札幌病院 小児科, 5.製鉄記念室蘭病院 小児科, 6.小樽協会病院 小児科)

Keywords:心臓カテーテル、心筋トロポニン、脳性ナトリウム利尿ペプチド

【はじめに】高感度心筋トロポニンI(TnI)は心筋障害を示唆するマーカーとして小児心疾患の日常診療に使用されているが、その臨床的意義については十分な検討がなされていない。【対象・方法】2012年8月から2015年12月までに当施設で施行した心臓カテーテル検査・治療(心カテ)562件を対象とした。新生児例は除外した。心カテ前後に採血し血漿TnI 、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)を測定した。診断カテ420件(D群)、治療カテ138件(CI群)、心筋生検4件(BI群)に分け、さらにCI群をバルーン形成術34件(B群)、コイル塞栓術52件(C群)、Amplatzer 動脈管閉鎖術23件(ADO群)、Amplatzer心房中隔欠損閉鎖術28件(ASO群)に分けてカテ前後のTnI、BNP値の変化について比較検討した。さらに合併症の有無との関連についても検討した。統計学的手法はpaired Wilcoxon変法、一次元分散分析法を主に用いた。【結果】TnIはD群、CI群、B群、C群、ADO群、ASO群すべてでカテ後に有意に上昇した。BI群も上昇したが、例数が少なく有意差には至らなかった。前後比(%)を比較すると、D群と比較しB群とADO群は有意に高値であったが、C群、ASO群は有意差を認めなかった。一方、BNPはD群ではカテ後に有意な上昇を認めなかった。CI群では有意な上昇を認め、B群、C群、ADO群、ASO群の各群とも有意に上昇した。前後比を比較すると、D群と比較しB群のみが有意に高値であり、CI群、C群、ADO群、ASO群は有意差を認めなかった。TnIとBNPの前後比はいずれの群においても相関関係を認めなかった。D群を合併症(軽症)の有無で二群に分けTnI、BNPの前後比を比較したが有意差を認めなかった。【考察】TnI、BNPは異なる変動を呈した。カテ前後でTnIを測定し比較することで、カテ施行中には意識されない潜在的な心筋障害を把握できる可能性が示唆された。