The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

ポスターセッション

一般心臓病学2

ポスターセッション(P02)
一般心臓病学2

Thu. Jul 7, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
片岡 功一(自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児手術・集中治療部)

P02-01~P02-06

6:00 PM - 7:00 PM

[P02-03] 末梢カテーテルが感染経路と考えられた多発性細菌性肺塞栓を合併した三尖弁感染性心内膜炎の1例

伊藤 敏恭1, 寺田 一也2 (1.高松赤十字病院 小児科, 2.四国こどもとおとなの医療センター 小児循環器内科)

Keywords:感染性心内膜炎、末梢カテーテル感染、細菌性肺塞栓

【背景】感染性心内膜炎(IE)の多くは弁膜症などの基礎疾患を背景として発症し、小児例においては背景が先天性心疾患であることが多く、成人例に比して右心系に多いことが特徴である。医療関連感染症の多くの要因は、中心静脈カテーテル感染であるが、末梢静脈カテーテル感染も報告されている。【症例】3歳女児。品胎第1子。当院NICU入院中、心臓超音波検査で三尖弁異常は認めなかった。インフルエンザに感染し前医でペラミビル投与され一旦は解熱したが、2日後に再発熱し炎症反応の上昇を認めABPCを投与された。改善せず発熱10日目に当院紹介入院した。CTXの投与により解熱が得られ退院したが、翌日より再発熱し、再入院した。CTXの再投与にて速やかに解熱したが、血液培養で黄色ブドウ球菌が検出された。感染性心内膜炎を疑い心臓超音波検査を施行し、三尖弁逸脱に伴う逆流と疣贅を認め、胸部造影CTで両肺野に多数の小結節病変を認めたため診断した。頭部胸腹部造影CTで頭蓋内病変は認めなかったが、両肺野に多数の小結節病変を認めた。GMを5日間投与しCEZは4週間継続投与した。4週間後の胸部CTでは小結節は消失し、心臓超音波検査でも疣贅は消失、三尖弁逸脱は残存するが増悪は認めなかった。現在は、無投薬で外来経過観察中である。【考察】右心系IEは、起因菌に黄色ブドウ球菌が多く、原因として経静脈感染が多い。小児の場合、アトピー性皮膚炎等の皮膚病変に起因することが多い。本症例の場合、病歴から末梢カテーテル留置に起因する可能性が考えられた。【結論】基礎心疾患のない感染性心内膜炎の報告は稀であるが、熱源不明の発熱が遷延する場合、感染性心内膜炎の検索は重要と考えられた。