The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

胎児心臓病学1

ポスターセッション(P05)
胎児心臓病学1

Thu. Jul 7, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
渋谷 和彦(東京都立小児総合医療センター 循環器科)

P05-01~P05-05

6:00 PM - 7:00 PM

[P05-01] 染色体異常を合併した先天性心疾患における胎児診断の現状と問題点

林 知宏, 河本 敦, 後藤 良子, 宮原 宏幸, 上田 和利, 荻野 佳代, 脇 研自, 新垣 義夫 (倉敷中央病院 小児科)

Keywords:胎児心疾患、染色体異常、出生前診断

【背景】胎児心エコーの普及に伴い、出生前に診断される先天性心疾患は増加しているが、染色体異常を伴う先天性心疾患の胎児診断の実態に関する報告は少ない。【目的】染色体異常を合併した先天性心疾患の胎児診断の現状と問題点を検討すること【対象・方法】2006年1月~2015年12月までの10年間に当科で診断した胎児心疾患72例を後方視的に検討。【結果】72例中、染色体異常の合併例は18例(25.0%)。18 trisomy 8例、13 trisomy 2例、21 trisomy 2例、22q11.2欠失症候群 3例、その他 3例。心疾患の内訳はTOF 4例、VSD 4例、UVH 3例、PA/VSD 2例、DORV 2例、HLHS 2例、CoA/VSD 1例。18 trisomyは全例が子宮内胎児発育遅延(IUGR)であったが、13 trisomy・21trisomyは全例IUGRではなかった。胎内で染色体異常を疑われた11/18例中(61.1%)、羊水検査を4例に施行。18 trisomyの1例、及び転座型染色体異常の1例のみ胎内診断できた(11.1%)。他7例は羊水検査の希望なし、あるいは適応禁忌であった。胎内で染色体異常が疑われなかった6/18例(33.3%)の内訳は18 trisomy 2例、13 trisomy 1例、21trisomy 1例、22q11.2欠失症候群 2例であった。死亡例は染色体異常合併例で12/18例(66.7%)、染色体異常非合併例で6/54例(11.1%)であった。【考察】染色体異常を合併した先天性心疾患の予後は不良である一方で、胎内で染色体異常を診断できたのは11.1%であった。18, 13 trisomy症例の30%が胎内で染色体異常が疑われていなかった。胎児心疾患の症例での染色体検査の適応・施行時期は尚、検討課題と考えるが、染色体異常の合併を常に念頭に置く必要がある。両親へのサポートにあたり、産科、新生児科、遺伝科、臨床心理士、看護師・助産師、MSWと連携し、情報共有を行う必要がある。