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[P05-02] 予後からみた内臓錯位症候群の胎児診断症例の検討
Keywords:胎児診断、内臓錯位症候群、予後
【目的】胎児診断された内臓錯位症候群の予後の検討を行うこと【対象と方法】2003/1-2013/12に神奈川県立こども医療センターにて胎児診断された内臓錯位症候群のうちTOPを除いた無脾症候群(RAI)49例、多脾症候群(LAI)54例を対象とした。対象のうちRAI 2例、LAI 3例のIUFDを認めた。出生後RAI16例、LAI8例が経過中に死亡した。LAI中8例は心内奇形を認めなかった。心外奇形はRAI1例(食道裂孔ヘルニア)、LAI8例(十二指腸閉鎖5、空腸閉鎖1、臍帯ヘルニア1、胆道閉鎖1)に認めた。【結果】1)胎児死亡:RAI 2例(胎児水腫1、不明1)、LAI3例(SSS2、不明1)、2)早産(34週未満)出生:RAI、LAIともになし。3)生産児:a)死因:RAI肺静脈狭窄(PVO)9例、心不全5名、壊死性腸炎1例、不明2例。LAI心不全4例、胎児水腫2例、感染1例、肝不全1例。b)死亡時期:生後1ヶ月未満RAI10例(PVO8,心不全2、LAI2例(胎児水腫2)、1-6ヶ月RAI5例(PVO1、心不全4)、LAI3例(心不全2、肝不全1)、6-18ヶ月RAI1例(不明)、LAI2例(心不全2)、18ヶ月以降RAI 1例(不明)、LAI 1例(感染)、c)手術介入と死亡時期:RAI:pre 1st palliation 8例(PVO7、心不全1)、pre BCPS 7例(PVO2、心不全4、不明1)、pre TCPC 2例(心不全1、不明1)LAI: pre 1st palliation 2例(胎児水腫)、pre BCPS 2例(心不全)、pre TCPC 2例(心不全1、不明1)、pre ICR 1例(肝不全)、post ICR 1例(感染) 【考案】内臓錯位症候群の治療成績は改善してきているが依然として救命困難な症例も存在する。今回の検討で早産例はなく未熟性は関与していなかった。RAIではsevere PVO症例は生後早期に介入を行っても救命は困難であった。RAI、LAIともに1st palliationを超えた症例は、心不全が予後に関与していた。AVVRが中等度以上でAVplastyを早期に必要とする症の予後は不良であった。Severe PVO、AVVRいずれの所見も胎児期より認めておりこれら症例を救命するには新たな治療strategyが必要と考えられた。