The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

複雑心奇形1

ポスターセッション(P09)
複雑心奇形1

Thu. Jul 7, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
西田 公一(福井循環器病院 小児科)

P09-01~P09-05

6:00 PM - 7:00 PM

[P09-01] 純型肺動脈閉鎖の左右逆転様形態を呈した心室中隔欠損を伴わない両大血管右室起始Fontan手術到達例

岡崎 新太郎1, 西田 公一1, 石原 靖紀2, 谷口 智史3, 山岸 正明4 (1.福井循環器病院 小児科, 2.福井愛育病院 小児科, 3.福井循環器病院 小児心臓血管外科, 4.京都府立医科大学 小児心臓血管外科)

Keywords:両大血管右室起始、Fontan手術、緻密化障害

【背景】心室中隔欠損(VSD)を伴わない両大血管右室起始(DORV)は極めて稀な病型であり、現在までに21例の報告例があるのみで、Fontan到達例は報告されていない。今回、緻密化障害(NC)を伴うVSD非合併DORVに対し、Fontan手術を完遂しえた症例を経験したので報告する。【症例】2歳5ヵ月女児。胎児エコーで大動脈縮窄(CoA)、DORVを疑われ在胎37週3日、体重2930g、予定帝王切開で出生。出生後のエコー、CT検査にてCoAを認め、大血管関係はside by side、両大血管とも完全に右室から起始しVSDは認めなかった。また左頭頚部静脈が無名静脈の狭窄により奇静脈を介して右房に還流する静脈奇形を認めた。僧帽弁狭窄(MVD 35%N)、左室(LV)流出路閉塞のためLV緻密化障害を呈して低形成であり、LVから冠動脈へのsinusoidal communication(SC)を認めた。右室(RV)容積113%N、RV駆出率72%でRV機能は保たれていた。以上よりFontan candidateと判断した。【治療経過】日齢6:大動脈縮窄症手術、動脈管結紮術、肺動脈絞扼術を施行。日齢36:肺うっ血による呼吸・循環障害に対して心房中隔裂開術施行。術後8ヵ月の心カテで肺動脈平均圧7 mmHg、PA index 314 mm2/m2/とFontan適応を満たしていたが頭頚部静脈還流異常により奇静脈の処理が困難を予想され経過観察。1歳7か月:両方向性グレン手術を施行。2歳2か月:Fontan手術を施行。術後経過は順調であった。SCは経過とともに消退傾向である。【考察】VSDを伴わないDORVは非常に稀であり、純型肺動脈閉鎖(PA/IVS)の左右逆転版とも言えるような動態を呈する。本例ではLVNCと内圧上昇によるSC増生を認めた。LV心筋肥厚による右室圧排は認めなかったことからRV機能は温存されており、LV減圧は不要であった。【まとめ】非常に稀なVSDを伴わないDORVを経験しFontan手術まで到達し得た。本例のLV形態はNCを示しており、本疾患群では多彩な形態と血行動態を示すと推察される。