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[P09-03] フォンタン手術適応疾患患者における心臓以外の手術
キーワード:フォンタン手術、心臓以外の手術、フォンタン循環
【はじめに】フォンタン手術の成績向上とともに、フォンタン手術後の患者の心臓以外の手術が増加している。フォンタン循環では、周術期に一定の注意が必要である。【対象と方法】1998年以降に出生し当院で経過観察しているフォンタン手術適応疾患で、心臓以外の手術を行った18例。診療録から後方視的に、手術時期と手術内容について検討した。【結果】18例で計26回の手術が行われていた。18例中9例が内臓錯位症候群であった。14回は1歳未満であった。手術時期は初回姑息手術前が4回、姑息手術後グレン手術前が9回、グレン手術後フォンタン手術前が8回、フォンタン手術後が5回であった。手術内容は消化器系が9回、泌尿器系が6回、耳鼻科が3回、呼吸器系が2回、眼科・脳外科がそれぞれ1回、その他4回などであった。多かった手術は横隔膜縫縮術が4回、食道裂孔ヘルニアに対するもの、扁桃摘除術、鼠径ヘルニア根治術がそれぞれ3回などであった。緊急度では緊急手術が2回、準緊急手術が10回であった。緊急手術は、頭蓋内出血による脳圧モニター挿入(7歳、グレン術後)、腎瘻造設(日齢0)であった。周術期にフォンタン循環に関連した問題はなかった。【まとめ】心臓手術に合併した横隔神経麻痺、内臓錯位症候群に合併する疾患の手術、フォンタン循環に悪影響を与える可能性のある扁桃肥大に対する手術などが多かった。QOL改善のため合併する疾患に対する手術も積極的に行われるようになってきている。フォンタン手術前に行われているものが多かったが、中にはフォンタン循環での胸腔鏡手術もあった。今後このような症例が増加することが予測され、各科との連携が必要と思われる。