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[P12-06] 心断層エコー図による左室拡張末期容量計測の臨床使用の妥当性- angiographyとの比較
キーワード:左室拡張末期容量、LVEDV、心断層エコー
【背景】超音波検査により簡便に左室拡張末期容積(LVEDV)を評価する方法として、左室短軸断面積(LVEDA)と長軸径(LAXd)を計測し、LVEDV=2/3×LVEDA×LVXdとして求める方法が青墳により報告されている。【目的】LVEDA測定経験の浅い検者により算出されたLVEDVの妥当性について検討すること。【方法】2014年4月~2016年1月の心臓カテーテル検査入院時の検査結果を後方視的に検討。二心室で左心室の形態評価が可能であった小児85症例を対象。安静時にエコーにてLVEDA、LAXd、LVDdを計測経験0~2年の複数の検者が計測しLVEDVを算出。青墳らの回帰式を用い、対正常%値としてLVEDV%を算出した。それらの値と心臓カテーテル検査時のangiographyによる左室拡張末期容積(C-LVEDV)やその対正常%(C-LVEDV%)との比較検討を行った(area-length法により算出しGraham式にて補正)【結果】年齢0歳7か月から17歳1か月(平均値5歳1か月)。男児55例、女児30例。体重16.4±12.9kg。体表面積 0.6±0.4。LVEDV(Y)とC-LVEDV(X)との間ではY=0.87X-3.8(r = 0.98, P<0.001)、LVEDV%(Y)とC-LVEDV%(X)との間ではY=0.86X-13.6 (r = 0.92, P<0.001)、LVDd%(Y)とC-LVEDV%(X)との間ではY= 0.25X+67.6(r = 0.84, P<0.001)とそれぞれに強い相関がみられた。【考察】青墳の報告では、熟練した検者一人により計測された値を用い、LVEDVとC-LVEDVではr=0.95、LVEDV%とC-LVEDV%ではr= 0.88との結果であった。今回、経験の浅い複数の検者での検査結果においても、同等以上の高い相関が得られ有用な評価方法であると考えられた。