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[P20-03] Glenn手術及び横隔膜縫縮術を実施した児の体肺側副血行に対するコイル塞栓術
Keywords:APCAs、横隔膜縫縮術、両方向性Glenn手術
【背景】Fontan Candidate(FC)において、体肺側副血行(APCAs)による肺動脈圧の上昇及び容量負荷はFontan型手術のリスクファクターとなる。それ故、Fontan型手術に先行しAPCAsに対するコイル塞栓術が施行されている。今回我々は、Fontan型手術を最終目標とした児の経過中に、横隔神経麻痺を呈し横隔膜縫縮術を実施した後に、その同側にAPCAsが多発した3例について報告する。【症例】基礎疾患は、症例1はSRV、症例2、3はHLHSであった。3例ともpalliationを行った後に両方向性Glenn手術(BDG)を実施した。しかしBDG後に横隔神経麻痺を呈し、横隔膜縫縮術が必要になった。横隔膜縫縮術を行った年齢は、それぞれ1歳2か月、8か月、10か月で、BDGから横隔膜縫縮術に至るまでの期間は、10日、3か月、10日であった。2例ともに横隔膜縫縮術を行った側(症例1より左側、左側、右側)にAPCAsが多発しコイル塞栓術を実施した。他の1例は術直後ではあるが肋間動脈の太さや血流に明らかな差を認めている。 症例1については、肋間動脈等によるAPCAsを大量に認め左肺動脈の血流低下を招いた。数回にわたってコイル塞栓術を実施したが、現在の状態ではFontan型手術への移行が困難と考えられる。【考察】横隔膜縫縮術では側方開胸により術野確保を行う。そのため切開した部位の創傷治癒過程において新生血管が増生しAPCAsが生じやすいと考えられる。また、症例2のように肺血流低下を招く症例もある。側開胸を行っていない症例よりは、より注意した経過観察や心臓カテーテル検査・治療を十分に行なう必要がある。【結語】FCにおいて横隔膜縫縮術を実施する場合、同側にAPCAsの出現が予想されることに留意し治療計画を立てる必要がある。