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[P21-03] 当科におけるADO導入後のPDA紹介患者の推移と治療成績
キーワード:PDA、ADO、カテーテル治療
【背景】Amplatzer Duct Occluder(ADO)が導入され、大きな動脈管開存(PDA)に対してもカテーテル治療(CI)が可能となった。【目的】ADO導入後のPDA患者の推移と治療術式、術後経過について検討すること。【対象および方法】当院でADOが導入された2010年1月から2015年12月までにPDA (複雑心奇形合併例や未熟児PDAを除く)閉鎖目的のため当科へ紹介となった患者72例のうち、PDA閉鎖術を施行した65例(男性20例、女性45例)について、PDA形態と選択術式、残存短絡、術後経過について検討した。また、ADO導入前にPDA閉鎖術を施行した25例(2002年~2009年)と選択術式について比較検討を行った。【結果】PDA紹介患者数はADO導入後年々増加傾向を示し、導入前は認めなかった18歳以上の症例を4例認めた。ADO導入後CIは53例(81.5%)に選択され、ADOは35例(53.8%)、中央値2.1歳(0.7~68.4歳)、PDA径は2.6±1.0mm(mean±SD)、コイルは18例(27.7%)、中央値2.2歳(1.2~35.0歳)、PDA径は1.1±0.3mmであった。外科手術は12例(18.5%)で選択され、中央値0.5歳(0.1~1.7歳)、PDA径は3.7±2.0mmであり、低年齢かつ大きな短絡のPDAであった。ADO導入前、CIは14/25例(56%)、外科手術は11/25例(44%)で選択されており、導入後CIの比率が増加していた。合併症はADO症例で一過性の血小板減少を1例、外科手術症例で反回神経麻痺を1例に認めた。ADO治療試みるも留置できず外科手術となった症例を1例認めた。コイル症例で3例、外科手術症例で1例に遠隔期わずかの残存短絡を認めたが、ADOでは残存短絡を認めなかった。【考察】PDA紹介患者の増加は、ADO治療が認知され成人例を含めADO治療可能な施設に患者が集約しているためと考えられた。ADO導入後、CI治療が増加していたが合併症も少なく閉鎖率も高かった。【結語】ADO導入後PDA治療の多くは外科手術からCIに移行し、低侵襲に安全に施行されている。