第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

カテーテル治療4

ポスターセッション(P21)
カテーテル治療4

2016年7月8日(金) 13:50 〜 14:40 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
田中 敏克(兵庫県立こども病院 循環器内科)

P21-01~P21-06

13:50 〜 14:40

[P21-05] Amplatzer Vascular Plug II (AVP II)を用いた動脈管開存閉鎖術

田中 敏克, 亀井 直哉, 平海 良美, 三木 康暢, 祖父江 俊樹, 谷口 由記, 小川 禎治, 富永 健太, 藤田 秀樹, 城戸 佐知子 (兵庫県立こども病院 循環器内科)

キーワード:PDA、Amplatzer Vascular Plug、Amplatzer Duct Occluder

【背景】2mm以上の径を有する管状で長いPDAに対するカテーテル治療において、コイル塞栓術は複数個のコイルを必要とし、かつ、遺残短絡や脱落のリスクを伴う。また、Amplatzer Duct Occluderを用いた場合には、bump形成から肺動脈への脱落に至るリスクがある。また、大動脈側に残るスペースが大きく、血栓形成や瘤状拡大の懸念もある。今回、我々は、Krichenko type Eの長いPDAに対し、Amplatzer Vascular Plug II(AVP II)を用いた閉鎖術を施行し、良好な結果を得たので報告する。(院内の倫理委員会の承認を得ている。)【症例1】肺動脈側が2.4mm、大動脈側が7.8mm、長さが19.5mm、Qp/Qs 1.2のPDA。大動脈側からアプローチし、ガイディングカテーテルは6F Brite tip JRを用い、大動脈側の径より2mm大きいAVP II 10mmを用い、先端のDiskを主肺動脈内で展開し、残りをPDA内で展開し、留置した。全長の半分強をデバイスが占める形で留置された。【症例2】3歳男児。肺動脈側が2.5mm、大動脈側が5.8mm、長さが17.3mm、Qp/Qs 1.2のPDA。症例1と同様の方法で大動脈側の径より2mm大きいAVP II 8mmを用い、先端のDiskを主肺動脈内で展開し、残りをPDA内で展開し、留置した。全長をデバイスが占める形で留置された。どちらの症例も翌日のエコーで遺残短絡や肺動脈狭窄などは認めず、合併症なく良好に経過した。【考察】Krichenko type Cやtype Eの長いPDAのおけるカテーテル治療では、coil, ADOとも問題点があり、治療デバイスの選択や留置形態に苦慮することがある。APV IIは本来、末梢動静脈を塞栓する目的で使用されるデバイスであるが、本症例の様な管状で長いPDAの治療においても選択枝となり得る。今後、症例を蓄積し、適応となるPDAの形態、PDAを十分にcoverする長さを考慮したデバイスの至適サイズの決定、安全で確実な留置方法、中長期の安全性、などについて検討する必要がある。