第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

電気生理学・不整脈4

ポスターセッション(P25)
電気生理学・不整脈4

2016年7月8日(金) 13:50 〜 14:40 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
上野 倫彦(日鋼記念病院 小児科)

P25-01~P25-05

13:50 〜 14:40

[P25-04] 孤立性の発作性心房細動を認めた11歳女児例

松永 愛香1, 櫨木 大祐1, 関 俊二1, 二宮 由美子1, 上野 健太郎1, 河野 嘉文1, 柳元 孝介2, 江口 太助3 (1.鹿児島大学医学部・歯学部附属病院 小児科, 2.鹿児島大学医学部・歯学部附属病院 集中治療科, 3.霧島市立医師会医療センター 小児科)

キーワード:心房細動、ストレス、小児

症例は11歳女児。
【家族歴】父が精神疾患で4年前に自殺。母と15歳の姉は健康。不整脈の家族歴なし。
【既往歴】39週 3,252g、正常分娩。出生・発達に特記事項なし。キウイ・メロンで蕁麻疹あり。
【現病歴】2015年7月、朝から倦怠感を認めたが、登校し水泳の強化練習に参加した。帰宅後に嘔吐が4回あり、前胸部の違和感(息苦しさ)と頭痛を主訴に近医を受診した。脈不整から心房細動・心室期外収縮に気付かれ精査目的で当院へ紹介入院した。
【現症】身長145.0 cm (-0.65 SD)、体重35.8 kg (-0.74 SD)、脈拍 120/分、不整、血圧 102/63mmHg、SpO2 100% (室内気)、呼吸音清、四肢末梢に冷感なし。
【経過】12誘導心電図で心房細動を認めた。心筋トロポニン 202 ng/mlであり心筋炎も鑑別としたが、心収縮は良好であり否定的であった。また明らかな心内奇形は認めなかった。安静と補液で経過観察として、入院4時間後に自然に洞調律となった。以後は心房細動の再燃なし。甲上腺機能正常であり、SCT (文章完成法テスト) では強い心理ストレスも否定的であった。初発心房細動が一過性で自然停止していると判断し、薬物投与なく経過観察中。
【考案と結語】まれな小児の発作性心房細動を経験した。明らかな原因は不明であるが、運動負荷や心理ストレスが誘因となった可能性がある。再発が35%に見られるとの報告もあるので、今後も注意深い経過観察が必要である。