The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

電気生理学・不整脈6

ポスターセッション(P27)
電気生理学・不整脈6

Thu. Jul 7, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
高橋 一浩(木沢記念病院 小児科)

P27-01~P27-05

6:00 PM - 7:00 PM

[P27-01] 心室中隔欠損症における心筋再分極の変動特性

内田 英利1, 長谷 有紗1, 江竜 喜彦2, 畑 忠善1,3 (1.藤田保健衛生大学医学部 小児科, 2.豊川市民病院 小児科, 3.藤田保健衛生大学大学院 保健学研究科)

Keywords:VSD、心筋再分極、肺体血流比

【背景】心室中隔欠損(VSD)における容量負荷は,刺激伝導系組織に対して伝導性の低下をもたらし脱分極時間の遅延を,また心筋リモデリング等による影響から心筋再分極過程に変調をもたらすことが推測されている.
【目的】左右短絡による心筋の電気生理学的な変化を心電図パラメータから判読する.そのなかで心電図再分極時間(QT),早期再分極時間(J point to Tpeak interval;JTp)と後期再分極時間 (Tpeak to Tend interval;Tp-e) の変動比率(variability index)を算出し,手術実施症例と健常対照群を比較検定する.再分極の不安定性を推測する変動比率は手術適応症例の心臓電気生理学な病態理解に有用であるという仮説を検証する.
【対象と方法】2005年4月から2014年3月までに,大学病院小児科通院中のVSD患者163名の中で手術適応となった25例と,年齢の合致した健常児27例を比較対象に用いた. VSD患者は定期検査時に,健常児童は心雑音等の主訴による精査時に生体信号記録装置にて心電図(CM5)を記録し,連続120心拍よりvariability indexを算出した.肺体血流比Qp/Qsはドプラー法により求めた.
【結果】両群間の比較より,QT, QRS, JTp, Tp-eの補正値は手術適応群で有意(p<0.05)に延長していた.さらに変動比率のQTVI, JTVI, JTpVI, Tp-eVIは手術適応群で有意(p<0.01)に高値であった.
【結語】今回の知見は手術適応患児の有する循環動態の不均衡は心電図の心筋再分極時間に反映されることを明示したことである.病的心では心筋再分極時間の不安定性が高まることが示されていることより,手術不適応児童の長期管理の中で新たな評価指標になる可能性が期待できる.