The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

集中治療・周術期管理1

ポスターセッション(P29)
集中治療・周術期管理1

Thu. Jul 7, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
石井 徹子(東京女子医科大学)

P29-01~P29-05

6:00 PM - 7:00 PM

[P29-05] 小児先天性心疾患の開心術周術期に残存する重症肺高血圧に対するsildenafil投与の効果と安全性の検討-多施設共同研究

根本 慎太郎1, 小西 隼人1, 島田 亮1, 岸 勘太2, 小田中 豊2, 尾崎 智康2, 片山 博視2, 小出 昌秋3, 吉村 幸浩4, 柴田 深雪5, 宮地 鑑6 (1.大阪医科大学付属病院 小児心臓血管外科, 2.大阪医科大学 小児科, 3.聖隷浜松病院 心臓血管外科, 4.東京都立小児総合医療センター 心臓血管外科, 5.和歌山県立医科大学 第一外科, 6.北里大学 心臓血管外科)

Keywords:開心術後、肺高血圧、sildenafil

【背景】近年様々な肺高血圧に対する肺動脈選択的拡張剤の応用が長足の進歩を遂げた。中でもNO-cGMP系の作動薬PDE5阻害剤であるsildenafil (SIL)は、早い効果発現、強い血管拡張作用、比較的軽微な副作用から、小児先天性心疾患の開心術後周術期に遷延する重症肺高血圧にも応用されてきた。【目的】その治療効果判定のための二重盲検試験は生命倫理上困難であるため、代替として一定のプロトコールに基づく多施設共同試験によって有効性と安全性を検討した。【方法】術前に肺高血圧を有し、術後ICU入室時から肺動脈圧をモニタリングし平均肺動脈圧が20mmHg以上、または平均肺動脈圧/平均血圧比が0.5以上の症例を対象とし、家族よりコンセントを得た。SIL 0.5 mg/kg/回で開始し(胃管から注入)、必要に応じ以後4-6時間毎に0.5~1.0 mg/kg/回の継続投与を可能とした。血行動態の推移と有害事象発生について調査した。【結果】10例がエントリーされ、VSD+ASD 6、AVSD 3、TGA 1、trisomy 9/10、体重平均4.5±0.8Kg。手術時年齢3ヶ月(1~4)、術前Pp/Ps 0.8 (0.5~1.0)、術前Qp/Qs 2.5 (1.9~6.4)、Rp 3.9 (1.3~7.1) Wood unit・m2 ; 中央値(最小~最大)。術後SIL投与前後mean PAP 28±11→16±4 mmHg (p<0.05)、Pp/Ps 0.53±0.21→0.30±0.08 (p<0.05)。体血圧、SpO2、血算生化学検査で有意変化なし。一酸化窒素吸入2、亜硝酸薬持続静注4がSIL投与によって離脱した。有意な副作用なし。【考察】【結論】開心術後急性期の残存肺高血圧に対するSIL治療は、多施設における異なった環境であっても有用かつ安全に実施可能であった。