1:50 PM - 2:40 PM
[P30-01] 3度のショックから神経学的後遺症なく蘇生したFontan術後患児の1例
Keywords:Fontan、蘇生、ショック
【病歴】
在胎41週で仮死なく出生。生後の低酸素血症を契機に僧帽弁閉鎖、両大血管右室起始、肺動脈弁下・弁狭窄、心房中隔欠損と診断した。1歳5ヶ月時にfenestrated EC-TCPCを実施。外来ではRVEF=40%で経過し、ACE-I、β-blocker導入するも不変のため心臓再同期療法を検討していた。3歳1ヶ月時、下痢と顔色不良を主訴に受診。末梢冷感著明であり診察中に意識障害を来たした。徐々に徐脈となり胸骨圧迫を開始。輸液・輸血、人工呼吸器管理、循環作動薬、除細動にて蘇生した。cardiogenic shockは否定的であり、胃腸炎契機のhypovolemic shockと考えた。蘇生に時間を要したため、DIC治療と脳浮腫に対してmidazolamとmannitolを使用した。入院2日目、血圧低下と酸素化不良が徐々に進行し、再度shockとなった。PIP≧40mmHgのhigh PEEPでも胸郭挙上不十分であった。レントゲン・エコーより右血胸によるobstructive and hypovolemic shockと判断。右胸腔にトロッカー留置後、500mlの血性排液が得られ状態改善した。しかし、入院3日目にも再度呼吸不全を来たした。SpO2低下から始まり、血圧は保たれたが徐脈となった。バギングで胸郭挙上せず、挿管チューブトラブルも認めず、胸部レントゲンで肺野に病変を認めないことから気管支攣縮を考え、アドレナリン気管内投与により換気が可能になった。後日meropenemがDLST陽性との結果から、同剤によるアナフィラキシーと考えた。入院6日目に抜管し、入院22日目に退院した。後日の頭部MRIで虚血性病変を認めず、入院前の状態まで機能は回復した。
【結論】
異なる原因による3度のショックを経験し、ショックの早期認識と基本に則った評価・治療介入の重要性を再認識した。文献的考察を加え報告する。
在胎41週で仮死なく出生。生後の低酸素血症を契機に僧帽弁閉鎖、両大血管右室起始、肺動脈弁下・弁狭窄、心房中隔欠損と診断した。1歳5ヶ月時にfenestrated EC-TCPCを実施。外来ではRVEF=40%で経過し、ACE-I、β-blocker導入するも不変のため心臓再同期療法を検討していた。3歳1ヶ月時、下痢と顔色不良を主訴に受診。末梢冷感著明であり診察中に意識障害を来たした。徐々に徐脈となり胸骨圧迫を開始。輸液・輸血、人工呼吸器管理、循環作動薬、除細動にて蘇生した。cardiogenic shockは否定的であり、胃腸炎契機のhypovolemic shockと考えた。蘇生に時間を要したため、DIC治療と脳浮腫に対してmidazolamとmannitolを使用した。入院2日目、血圧低下と酸素化不良が徐々に進行し、再度shockとなった。PIP≧40mmHgのhigh PEEPでも胸郭挙上不十分であった。レントゲン・エコーより右血胸によるobstructive and hypovolemic shockと判断。右胸腔にトロッカー留置後、500mlの血性排液が得られ状態改善した。しかし、入院3日目にも再度呼吸不全を来たした。SpO2低下から始まり、血圧は保たれたが徐脈となった。バギングで胸郭挙上せず、挿管チューブトラブルも認めず、胸部レントゲンで肺野に病変を認めないことから気管支攣縮を考え、アドレナリン気管内投与により換気が可能になった。後日meropenemがDLST陽性との結果から、同剤によるアナフィラキシーと考えた。入院6日目に抜管し、入院22日目に退院した。後日の頭部MRIで虚血性病変を認めず、入院前の状態まで機能は回復した。
【結論】
異なる原因による3度のショックを経験し、ショックの早期認識と基本に則った評価・治療介入の重要性を再認識した。文献的考察を加え報告する。