The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

心筋心膜疾患1

ポスターセッション(P33)
心筋心膜疾患1

Fri. Jul 8, 2016 1:50 PM - 2:40 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
吉林 宗夫(宇治徳州会病院 小児科)

P33-01~P33-06

1:50 PM - 2:40 PM

[P33-04] 思春期以降のDuchenne型筋ジストロフィー症の心筋障害像とβ遮断薬の効果について

佐藤 工, 佐藤 啓 (国立弘前病院 小児科)

Keywords:Duchenne型筋ジストロフィー症、拡張型心筋症、β遮断薬

【背景】呼吸管理法の進歩により壮年期に達するDuchenne型筋ジストロフィー症(DMD)例が増加し、心臓関連死が主な死因となっている。【目的】思春期以降のDMDの心筋障害像をまとめ、β遮断薬の有用性について検討すること。【対象と方法】2013年9月から2年間に心臓検診を行ったDMD患者20例、初診時年齢14~46歳(M=31.5)を対象とし、心エコー(LVDd mm、LVEF %)、心電図、BNP pg/mLについて検討した。また、β遮断薬導入例について、導入後の心筋障害像の変化と転帰について検討した。【結果】1.全例身体機能障害分類VII~VIII度。LVEDd (n=19)29~65 mm(M=50)、LVEF(n=19)9~64%(M=30)、BNP(n=18)3.9~385 pg/mL(M=18.9)で、13/20例(65%)がDCM化していた。25歳以上(n=13)と25歳未満(n=6)での比較ではLVDd、LVEFともに有意差がなかった(各々p=0.39、0.20)。心室不整脈(PVC/VT)例は13/20例(65%)で、25歳以上と未満では有意差がなかった(p=0.61)。3例がVTを契機に死亡した。2.β遮断薬はCarvedilol7例、Bisopolol1例の計8例(16~33歳、M=26.5)に導入した。導入前後でLVDdとLVEFに変化はなかったが、1例(33歳)でTolvaptan依存から離脱し、BNPが331.0 pg/mLから57. 5pg/mLに減少した。PVC/VTを認めていた6例中5例でβ遮断薬導入後に減少した。【結語】今回の検討では10代半ばからすでに心収縮性の低下を認め、β遮断薬の効果にも限界があった。より若年からのβ遮断薬導入等の心筋保護対策が、心機能を維持し生命予後を改善し得るかさらなる検討を要する。