The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

ポスターセッション

術後遠隔期・合併症・発達2

ポスターセッション(P42)
術後遠隔期・合併症・発達2

Wed. Jul 6, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
髙木 純一(たかぎ小児科・心臓小児科 )

P42-01~P42-06

6:00 PM - 7:00 PM

[P42-04] 慢性活動性EBウイルス感染症を合併した22q11.2欠失症候群、肺動脈閉鎖、房室中隔欠損術後の1例

清水 信隆, 中野 克俊, 笠神 崇平, 進藤 考洋, 平田 陽一郎, 犬塚 亮 (東京大学医学部附属病院 小児科)

Keywords:心不全、22q11.2欠失症候群、慢性活動性EBV感染症

【緒言】頻脈は心不全の兆候の1つであるが、頻脈自体が心不全増悪の原因にもなりうることを忘れてはならない。【症例】22q11.2欠失症候群の11歳女児。肺動脈閉鎖、房室中隔欠損に対し、2歳時に1弁付transannularパッチを用いた心内修復術を行っている。術後右側房室弁狭窄を認め、利尿剤の内服を要していたが、軽度の浮腫のみで落ち着いていた。10歳時の定期検査では安静時心拍数90回/分、胸部レントゲンでCTR68%と心拡大は著明なものの、BNP 49pg/m、心エコー上の右側房室弁輪径は75%N、心臓カテーテル検査では右房圧(8)と右側房室弁狭窄は軽度と判断、右室拡張末期容積は143%Nで経過観察としていた。4か月後、1週間ほどの経過で急な浮腫の増悪を呈し、心拍数150回/分と頻脈を認め緊急入院となった。BNP 442pg/mlであった。急速な経過および心電図所見から上室性頻拍と考え、ATP投与、カルディオバージョンを施行したが効果なく、急性心不全による洞性頻脈として抗心不全療法を開始した。心エコー上の右側房室弁狭窄、逆流は大きな変化はなく、心不全増悪の原因は判然としなかった。アゾセミド、トルバプタン導入しある程度落ち着き退院としたが、再度の浮腫の増悪および発熱で再入院。抗生剤不応の発熱持続、肝機能障害、フェリチン上昇、汎血球減少を呈し、骨髄検査、血中EBV-DNA PCR陽性から、慢性活動性EBV感染症(CAEBV)のよる血球貪食症候群の診断に至った。頻脈により容易に浮腫が増悪する右側房室弁狭窄の病態に慢性炎症による頻脈が加わり、心不全症状が増悪したものと考えられた。造血幹細胞移植しか根本治療がない疾患であり、ステロイド、免疫抑制剤による病勢鎮静化を目指したが、循環・水分管理に難渋し、十分なコントロールができないまま永眠された。【結語】22q11.2欠失症候群にCAEBVを合併した症例を経験した。頻脈の原因として心由来の因子も鑑別に上げることが重要である。