The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

術後遠隔期・合併症・発達2

ポスターセッション(P42)
術後遠隔期・合併症・発達2

Wed. Jul 6, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
髙木 純一(たかぎ小児科・心臓小児科 )

P42-01~P42-06

6:00 PM - 7:00 PM

[P42-05] 先天性心疾患術後の経過観察中に1型糖尿病を発症した2例

高田 秀実, 檜垣 高史, 太田 雅明, 千阪 俊行, 森谷 友造, 田代 良, 宮田 豊寿, 石井 榮一 (愛媛大学医学部 小児科学)

Keywords:先天性心疾患、1型糖尿病、耐糖能異常

【はじめに】先天性心疾患の長期予後では耐糖能異常、2型糖尿病との関連が示唆されている。しかしながら1型糖尿病との関連は明らかではない。今回我々は、先天性心疾患心内修復後の患者の経過観察中に1型糖尿病を発症した2例を経験した。【症例1】15歳女児。在胎39週2日、2824gで出生した。胎児期より三尖弁閉鎖を疑われており、生後三尖弁閉鎖Ibと診断された。日齢12に心房中隔裂開術を施行され、2歳8ヶ月時にFontan術(右房肺動脈吻合)を施行された。その後僧帽弁閉鎖不全による心不全、上室性不整脈を認め、2008年(10歳)にTCPC conversionを施行された。以後、利尿剤、ACE阻害薬、抗凝固薬、抗血小板薬を内服し、経過観察されていた。2013年(15歳)の学校検診で尿糖を指摘、空腹時血糖436mg/dl、HbA1c:13.5%と高値であり、1型糖尿病と診断された。【症例2】11歳女児。在来37週0日、2722gで出生した。生後心雑音を指摘され、心室中隔欠損、右室二腔症と診断された。右室内圧較差が進行し、2008年(5歳)に心内修復術を施行された。2015年(11歳)の外来受診時に体重減少(-3.5kg/年)を認め、問診にて学校検尿での尿糖指摘が判明した。空腹時血糖は260mg/dl、HbA1c:13.5%であり、1型糖尿病と診断された。【考察】先天性心疾患の遠隔期には2型糖尿病のリスクがあると言われているが、空腹時血糖値が低めである傾向との報告もある。1型糖尿病との関連は不明であるが、先天性心疾患と膵発生に共通した遺伝子も報告されている。我々が経験した2症例は偶然の発症である可能性は否定できないが、先天性心疾患と1型糖尿病の関連を調べるため、今後も症例を蓄積していく事が必要である。