The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

術後遠隔期・合併症・発達4

ポスターセッション(P44)
術後遠隔期・合併症・発達4

Thu. Jul 7, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
木村 純人(北里大学医学部 小児科)

P44-01~P44-06

6:00 PM - 7:00 PM

[P44-02] fenestrated Fontan例の血行動態と臨床的特徴

武口 真広, 浜道 裕二, 小林 匠, 梶濱 あや, 斉藤 美香, 石井 卓, 稲毛 章郎, 中本 祐樹, 上田 知実, 矢崎 諭, 嘉川 忠博 (榊原記念病院 小児循環器科)

Keywords:fenestrated Fontan、心拍出量、心室拡張末期圧

【背景】GlennからFontanに移行する際に肺循環の障害が強いとFontan循環が成り立たない。この問題を回避するためにfenestrated Fontan (fenF)が行われている。【目的】fenF例の血行動態及び臨床的特徴について検討した。【方法】後方視的検討。対象は2010~2015年に血行動態を把握するために心臓カテーテル検査を施行したfenF後の39例。対照群は同時期に検査を施行したfenestrationのないFontan術後137例(non-fen群)。2群間で背景因子、血行動態因子を比較した。【結果】fenFは2010年以降109例中32例に施行されていた。fenF群で有意に、カテ施行年齢は低く(8.3 vs. 12.7歳)、PA indexが小さく(209 vs. 250 mm2/m2)、高率にcoil塞栓(79% vs. 59%)、房室弁修復(33% vs. 16%)が行われていた。fenF群で有意に、肺血管拡張薬(71% vs. 19%)、利尿薬が使用されていたが、血管拡張薬、βブロッカーの使用率に差はなかった。血行動態因子では、上大静脈圧に差はなかったが、fenF群で有意に肺動脈楔入圧は上昇(8.5 vs. 6.8mmHg)、大動脈酸素飽和度が低下(88% vs. 93%)。fen群で有意に心室の拡張末期容積は大きく、拡張末期圧も上昇(10.0 vs. 8.2mmHg)していたが、駆出率は差がなく、心拍出量はfenF群で有意に高値(3.8 vs. 3.3 L/m2/分)であった。肝機能障害の指標である血小板数、肝逸脱酵素、ビリルビン値は両群間で差はなかった。【結語】fenstrated Fontanは、肺血管床、心血行動態に何らかの問題がある例に施行されている。今回の検討では、fenF群で中心静脈圧の上昇、肝機能の障害はなく、心拍出量も保たれていた。しかし、高い心室拡張末期圧、肺動脈楔入圧、低酸素血症状が存在しており、これらをフォローする必要がある。