第52回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスターセッション

術後遠隔期・合併症・発達7

ポスターセッション(P47)
術後遠隔期・合併症・発達7

2016年7月6日(水) 18:00 〜 19:00 ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
星合 美奈子(山梨大学 新生児集中治療部)

P47-01~P47-06

18:00 〜 19:00

[P47-05] 先天性心疾患患者の自立を目指したチーム医療(第一報)―退院指導の見直し―

小川 理絵子, 田辺 志保美, 望月 千亜美, 倉橋 郁乃, 中村 泉, 渡辺 みき (静岡県立こども病院)

キーワード:退院指導、チーム医療、コーディネーター

【背景】先天性心疾患患者の90%が成人を迎えるが、様々な問題で成人移行が困難となる現状がある。患者の高い依存性や、その親の過保護の状況を多く経験し、成人移行の問題は小児期に親から受ける環境に影響していることがあることを痛感している。家庭内で成人移行の意識が高まるために外来のみでなく、入院病棟においても小児期から指導を行っていく必要があると考えた。退院時に親の不安を軽減させることで、過度な擁護を避け、退院指導で他職種が専門知識を持って患者の将来を見据えた指導を行うことで、親が子の将来を考えるきっかけになり生活の中での親の子育ての変化が期待できるのではないかと考えた。【目的】現在の病棟での退院指導の現状を明らかにし、生活の中で成人移行の準備ができる環境で育つために必要な情報提供や指導ができる環境を調整する。【方法1.家族に対して過去の退院時に不足し不安を感じさせた退院指導の内容をアンケート調査。2.医療スタッフに対して退院指導の現状や成人移行の認識について聞き取り調査。親と医療スタッフの意識のずれを明らかにし、指導の内容を改善し、他職種と連携して退院指導を行う。【結果】アンケートの結果を踏まえて初めて退院する患者家族を対象に集団指導を行った。【考察】これまでの退院指導は情報提供が主であり、教育することに対しての認識が低かった。指導内容・指導方法の改善を行うことで親が考え学ぶ環境を提供することができると考える。【結論】先天性心疾患患者の退院指導では親に教育することで小児期から成人移行を意識して介入を行っていくことが可能である。看護師は患者と他職種を繋ぐコーディネーター役として患者の年齢や治療の状況、疾患などをアセスメントし適切な指導とその環境を提供していく必要がある。