The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

術後遠隔期・合併症・発達8

ポスターセッション(P48)
術後遠隔期・合併症・発達8

Thu. Jul 7, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
山村 健一郎(九州大学病院 小児科)

P48-01~P48-04

6:00 PM - 7:00 PM

[P48-03] Fontan術後の肝線維化バイオマーカー(Mac2結合蛋白糖鎖修飾異性体)についての検討

森 琢磨1,2, 河内 文江1, 伊藤 怜司1, 浦島 崇1, 藤原 優子1, 星野 健司2, 小川 潔2 (1.東京慈恵会医科大学 小児科学講座, 2.埼玉県立小児医療センター 循環器科)

Keywords:Mac2結合蛋白糖鎖修飾異性体、Fontan、肝線維化マーカー

【背景】従来、肝炎進行を評価するための定法は肝生検後の病理診断によって行われてきたが、近年、新たな血清バイオマーカーであるMac2結合蛋白糖鎖修飾異性体(以下M2BPGi)が、肝線維化マーカーとして有用であると報告されている。一方、Fontan術後の長期生存例の増加に伴い、肝線維症、肝硬変や肝細胞癌などの遠隔期合併症が注目されており、肝線維化から肝硬変の進展を防ぐことが重要とされている。【目的】Fontan術後の肝線維化バイオマーカーとしてのM2BPGiの有用性を評価する。【方法】F術後患者28例を対象に2015年1月1日から2016年1月1日の期間において血清M2BPGiを測定した(判定; カットオフインデックス(C.O.I) 1.00未満を陰性、1.00~3.00未満を陽性(1+)、3.00以上を陽性(2+)とする)。そのうち12例においてはM2BPGiの測定に加えて線維化マーカーであるヒアルロン酸も測定し、腹部超音波検査にて肝表面の凹凸、辺縁の形態、脾腫、占拠性病変の有無等を観察した。【結果】Fontan術後(LT 8例、ECC 20例)の観察期間は平均8.9年で、Fontan術後28例において全例でM2BPGiでは陰性であった(平均C.O.I. 0.375)。ヒアルロン酸は平均40.7ng/mlであった。また、腹部超音波検査を施行した12例においては5例で肝左葉の腫大を認め、肝辺縁の鈍化は8例、肝表面の凹凸は4例、脾腫は3例で認めた。肝実質内に占拠性病変を認めた症例はなかった。【考察】腹部超音波検査で施行した12例のうち5例でうっ血肝あるいは肝硬変を示唆する所見を認めたが、全例でM2BPGiの上昇を認めなかったことから、超音波所見でうっ血肝や肝硬変を疑う所見を認めても、肝線維化が進行していない可能性が考慮された。M2BPGiは肝線維化の進展度を反映するとされており、線維化のステージの上昇により高値になることから、継時的なM2BPGiの計測が必要であると思われた。