The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

心血管発生・基礎研究1

ポスターセッション(P59)
心血管発生・基礎研究1

Fri. Jul 8, 2016 1:50 PM - 2:40 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
横山 詩子(横浜市立大学医学部 循環制御医学)

P59-01~P59-05

1:50 PM - 2:40 PM

[P59-04] 出生前後のタンパク質摂取制限による成体マウス心筋構成細胞の変化

下山 伸哉1,3, HENNIG MARIA2, EWALD DOMINIK2, JUX CHRISTIAN1, DRENCKHAHN JOERG-DETLEF1,2 (1.ミュンスター大学病院 小児循環器科, 2.Max-Delbrueck-Center for Molecular Medicine, 3.群馬県立小児医療センター)

Keywords:子宮内胎児発育遅延、心筋細胞、タンパク制限

【目的】妊娠中母体マウスのタンパク制限食による子宮内胎児発育遅延(IUGR)モデルは仔マウスの心臓の低形成を引き起こすが、出生後仔マウスはタンパク制限を解除することで成体までには心臓の大きさは正常化し、心血管疾患の発症リスクを増大させることが示唆されている。今回、出生後もタンパク制限を継続することで心臓の発達にあたえる影響を病理学的変化も含め評価した。【方法】妊娠期間中は母体マウスに通常タンパク食(21%)を与え、出生後も仔マウスに通常タンパク食を与え生後10週まで飼育された群をS群(n=6)、同様に妊娠期間中から生後10週まで継続してタンパク制限食(8%)を継続された群をL群(n=6)とした。生後10週時点の成体マウスの心臓のパラフィン切片上で免疫蛍光染色を行いCardiomyocyte(CM)とnon-CM数のカウント、CMの長軸長、短軸断面積の測定を行いCM容積を算出、最終的に演算によるCM数の算出を行った。【結果】体重、心重量、CM数(S vs L; 4042±371/mm2 vs 4842±1141/mm2)は両群で有意差を認めなかったが、Non-CM数はL群が優位に増加を認めた(S vs L; 1880±146/mm2 vs 2523±467 /mm2;P<0.05)。またnon-CM/CMはL群が高値であった(P<0.05)。また細胞間質の線維化比率およびCMの長軸長は両群で有意差は認めなかったが、短軸断面積はL群で低値を示した(S vs L; 286.0±26.2μm2 vs 213.8±13.0μm2 ;P<0.05)。CMの体積もL群で低値を認めたが(P<0.05)、CM容積やLV重量から算出したCM数は両群間に有意差は認めなかった(S vs L; 3.77×106±6.0×105 vs 4.12×106±1.6×105)。【結論】出生前および出生後のタンパク制限は心筋組織の恒常性の変化を引き起こし成体マウスの心臓のCM容積の減少をもたらしたが、non-CMの代償的増加により心臓のサイズは代償されていた。これらの変化が心血管病変の発症リスクに関連するかは今後の検討が必要と思われる。