13:50 〜 14:40
[P72-06] 機能的単心室における房室弁形成術の検討
キーワード:単心室、房室弁逆流、房室弁形成
【目的】機能的単心室(SV)における房室弁逆流(AVVR)は,その予後を左右する重要な危険因子である.近年我々は,AVVRに対する弁形成術式として従来の弁輪縫縮に加え,edge-to-edge等の弁尖形成を積極的に行っている.今回,SVにおける房室弁形成術の成績を検討した.
【対象・方法】2005年以降,SVに伴うAVVRに対し,房室弁形成術を行った31例を対象とした(同時期の弁置換例はなし).right isomerism 12例,left isomerism 2例,HLHS 3例で,房室弁形態は共通房室弁14例,一側房室弁閉鎖・狭窄14例,二房室弁3例.初回弁形成術式は弁輪縫縮のみ24例,弁尖形成7例(うち5例で弁輪縫縮併用,1例は弁尖授動再建)で,その時期はGlenn前8例,Glenn時9例,Fontan前4例,Fontan時9例,Fontan後1例であった.
【結果】弁形成術後観察期間は0.1-11.2(中央値3.6)年.手術死亡なし,病院死4例(いずれも生後3ヶ月以内手術例で,術後AVVR増悪).Fontan到達21例.中等度以上のAVVR再発を13例(うち初回弁形成が弁輪縫縮のみ9例,弁尖形成4例)に認め,再弁形成術を6例(弁輪縫縮3例,edge-to-edge 2例,leaflet extension+edge-to-edge 1例)に行った(弁置換例なし).AVVR再発の危険因子は手術時月齢3ヶ月以内のみで,心室形態や弁形態,術前心室容積,EF,術式等には差を認めなかった.再弁形成術後に中等度以上のAVVR再々発を2例に認め,うち1例に再々弁形成術(edge-to-edge)を行いAVVRの改善を得ているが,他の1例は弁輪縫縮のみを2回行った症例で再々手術待機中である.また再手術例を含めてAVVRが軽減した23例では,SVEDVIは術前192±60→術後137±41ml/m2,ESVIは術前100±38→術後71±25ml/m2と著明に減少し,EFは術前49±8→術後49±7%と保たれていた.
【結語】SVにおけるAVVRでは,生後早期に弁形成手術介入を要する症例はAVVR再発のリスクが高く,弁輪縫縮のみでAVVR制御困難な場合はedge-to-edge等の弁尖形成追加が必要であった.
【対象・方法】2005年以降,SVに伴うAVVRに対し,房室弁形成術を行った31例を対象とした(同時期の弁置換例はなし).right isomerism 12例,left isomerism 2例,HLHS 3例で,房室弁形態は共通房室弁14例,一側房室弁閉鎖・狭窄14例,二房室弁3例.初回弁形成術式は弁輪縫縮のみ24例,弁尖形成7例(うち5例で弁輪縫縮併用,1例は弁尖授動再建)で,その時期はGlenn前8例,Glenn時9例,Fontan前4例,Fontan時9例,Fontan後1例であった.
【結果】弁形成術後観察期間は0.1-11.2(中央値3.6)年.手術死亡なし,病院死4例(いずれも生後3ヶ月以内手術例で,術後AVVR増悪).Fontan到達21例.中等度以上のAVVR再発を13例(うち初回弁形成が弁輪縫縮のみ9例,弁尖形成4例)に認め,再弁形成術を6例(弁輪縫縮3例,edge-to-edge 2例,leaflet extension+edge-to-edge 1例)に行った(弁置換例なし).AVVR再発の危険因子は手術時月齢3ヶ月以内のみで,心室形態や弁形態,術前心室容積,EF,術式等には差を認めなかった.再弁形成術後に中等度以上のAVVR再々発を2例に認め,うち1例に再々弁形成術(edge-to-edge)を行いAVVRの改善を得ているが,他の1例は弁輪縫縮のみを2回行った症例で再々手術待機中である.また再手術例を含めてAVVRが軽減した23例では,SVEDVIは術前192±60→術後137±41ml/m2,ESVIは術前100±38→術後71±25ml/m2と著明に減少し,EFは術前49±8→術後49±7%と保たれていた.
【結語】SVにおけるAVVRでは,生後早期に弁形成手術介入を要する症例はAVVR再発のリスクが高く,弁輪縫縮のみでAVVR制御困難な場合はedge-to-edge等の弁尖形成追加が必要であった.