6:00 PM - 7:00 PM
[P77-01] 新生児期・乳児期 modified Blalock-Taussig shunt術のブラッシュアップ
Keywords:BTシャント、コイル塞栓、肺動脈発育
【背景】BTシャント手術はdefinitive手術の達成に関わる。しかし術後に側副血行路が発達し、上葉肺の発育が阻害されることがある。そこで肺動脈上葉枝の発達に関わる因子について検討した。【対象】2004年1月~15年12月の間にBTSを行なった29例を対象とした。術式は側開胸(22例)を基本術式とし、肺動脈形成術の追加の必要性がある場合や血行動態から人工心肺装置を用いる必要性があるものは胸骨正中切開(7例)によるアプローチとした。【方法】次の段階への達成率を評価、そして術後の造影検査にて肺動脈の上葉枝が順行性に造影されるかを、上葉枝が順行性ではwash out grade 0 (WG-0) 、上葉枝の区域枝のみが映らないものをWG-1、全く映らないものをWG-2と分類し、開胸方法、術後のPA index、シャントサイズ、造影検査時のSpO2、肺動脈中心部からの血流(central flow:CF)があるか(シャント吻合部位がmPA:7例に肺動脈弁を通る血流がある症例:8例、PDA症例:5例、を含めた)についてそれぞれ比較検討した。また上葉枝への側副路のコイル塞栓についても検討した。【結果】達成率は二心室修復を目指したものが94%(18/19例))、Fontan candidateのものが78%(7/9例)であった。wash outについてはWG-0:16例、WG-2:4例、WG-2:4例であり、シャントサイズ、PA index そしてSpO2については有意な差を認めなかった。CFとwash outおよびコイル塞栓については、CF(+)→ WG-0:15例、WG-1:3例、WG-2:1例CF(-)→ WG-0: 1例、WG-1:1例、WG-2:3例CF (+) → コイル塞栓なし 16例、コイル塞栓あり1例CF (-) → コイル塞栓なし 1例、コイル塞栓あり3例という結果でCFとWGおよびコイル塞栓の必要性に相関を認めた(p<0.05)。【考察】左右肺動脈へのcentral flowが肺動脈の発達に肝要であると示唆された。術式についても側開胸・正中開胸を患児の状態やCentral flowを考慮することで、よりよい根治術へとつながると考える。