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[P77-05] 高度肺動脈低形成症への治療経験
Keywords:高度肺動脈低形成、肺動脈形成術、複数回の治療介入
高度肺動脈低形成症候群は、主肺動脈が無いか極めて低形成で、複数回の治療介入を要するが、その治療成績は不良である。当院で手術とカテーテルインターベンション(CI)を繰りかえし行った2症例の臨床経過を報告する。【症例1】37週、2598gで出生。PA/VSDの男児。CTで主肺動脈2.7mm、左右肺動脈2mm以下と細く、2ヶ月時に5mm PTFE graftによる姑息的右室流出路再建術(pRVOTR)。4回のCIを経て、8ヶ月時に左の短絡術。術後CIを経て、左右肺動脈が4mm程度(PAI 76)となった2歳4ヶ月に肺動脈形成と12mm 3弁付き導管でre-pRVOTR。末梢肺動脈狭窄に対する3回のCIの後、5歳7ヶ月に両側肺動脈形成、18mm 3弁付き導管によるre-RVOTR、4mm開窓付VSD閉鎖術を行った。肺血管拡張薬内服、HOT導入して退院、SpO2 90%前半で外来通院中。【症例2】39週、2435gで出生。22q11.2欠失、severe TOFの女児。左右肺動脈径2mm、5本の側副血管も2mmと細く、2ヶ月時に主肺動脈へ短絡術(4mm PTFE)。その後側副血管は消退し、11ヶ月時に8mm 2弁付き導管でpRVOTR。左右肺動脈へのCI後、1歳3ヶ月に右肺動脈形成と10mm導管でのre-pRVOTR、2歳1ヶ月に左肺動脈形成と短絡術。術後4回のCIの後、PAI 109, Qp/Qs 0.77との結果から、4歳8ヶ月に両側肺動脈形成、18 mm 3弁付き導管によるre-RVOTR、5mm開窓付VSD閉鎖術を行った。術後3ヶ月時に末梢肺動脈へのCIを行い、Qp/Qs 0.91, RVp/LVp 0.97。SpO2 90%前半で外来通院中。【考察】高度肺動脈低形成症に対する治療には、個々の肺動脈形態に応じて、肺動脈の発育を促すための長期的な視点から、手術とCIの積極的な介入が肝要である。