The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

VSD、AVSD、その他

ポスターセッション-外科治療09(P78)
VSD、AVSD、その他

Fri. Jul 8, 2016 1:50 PM - 2:40 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
芳村 直樹(富山大学医学部 第一外科)

P78-01~P78-05

1:50 PM - 2:40 PM

[P78-01] 当院における心室中隔欠損症の術後早期退院の影響

田中 登1, 古川 岳史1, 中村 明日香1, 福永 英夫1, 大槻 将弘1, 高橋 健1, 稀代 雅彦1, 清水 俊明1, 中西 啓介2, 川崎 志保理2 (1.順天堂大学 小児科, 2.順天堂大学 心臓血管外科)

Keywords:心室中隔欠損症、入院期間、外科治療

【背景】当院では心室中隔欠損症(VSD)閉鎖術において、患者のQOL向上や入院ベッドコントロールを潤滑に行うため、原則的に術後4日の退院を目標に管理を行っている。【目的】早期退院を目指すにあたり、1. 早期退院が不可能であった症例 2. 術後再入院を要した症例、をリスク症例とし検討すること。【対象・方法】2013年1月から2015年12月までに当院でVSD閉鎖術を施行した79例(男児42例、女児37例)について、入院経過、再入院の有無、退院後経過を後方視的に検討した。また、術後7日未満で退院した症例(N群)、術後7日以上の入院を要した症例(R群)の患者背景について比較検討を行った。【結果】対象の手術時年齢2.9±3.3歳、体重11.9±9.7kg、平均肺動脈圧26.4±14.1mmHg、21 trisomy 6例、術後入院期間5.3 ± 3.5日であった。N群は68例(86.0%)、R群は11例(13.4%)、R群の原因は呼吸障害9例、心嚢液貯留1例、家族の退院延期希望1例であった。手術年齢はN群3.2±3.3歳, R群1.0±1.9歳(P = 0.033)、体重はN群12.7±8.1kg, R群7.1±6.7 kg (P = 0.031)。手術時年齢3か月以下の症例はN群3/68例、R群5/11例(p <0.001)や21 trisomy の合併がN群1/68 群、R群 5/11例 (p <0.001)、平均肺動脈圧はN群24.3±14.3mmHg、R群40.4±17.5mmHg, (p <0.001)とR群に有意に高かった。手術に関連する再入院は5例(6.3%)で、4例が創部関連、1例は術後4か月でAV blockを発症した。心嚢液貯留のため外来でステロイド内服を要した症例は7例(8.8%)であった。【考案・結語】21 trisomyや、心不全と肺高血圧で手術を要した早期乳児例を除く多くの症例は早期退院が可能であった。再入院を要した症例の多くは創部の問題で、退院前からの説明により適切な対応が可能であった。本検討期間では早期退院により患者に不利益を及ぼすイベントは無いと考えられた。