The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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ポスターセッション

単心室、その他

ポスターセッション-外科治療11(P80)
単心室、その他

Thu. Jul 7, 2016 6:00 PM - 7:00 PM ポスター会場 (天空 ノース)

座長:
落合 由恵(九州病院 心臓血管外科)

P80-01~P80-05

6:00 PM - 7:00 PM

[P80-03] 自己組織Fontan手術の遠隔成績:肝繊維化マーカーの観点から

阿部 貴行, 森田 紀代造, 篠原 玄, 高木 智充 (東京慈恵会医科大学 心臓外科)

Keywords:自己組織、フォンタン、遠隔成績

【目的】異物を用いない自己組織 LT型Fontan手術は拍動性肺血流の維持、抗血栓性や発育の可能性において有用とされる反面、圧負荷による心房性不整脈や心房拡大が問題となり現在は施行されることは少ない。今回我々は当科において1992~2004年に施行された自己組織Fontan症例の術後の遠隔期の成績をことに肝繊維化マーカーの観点から検討した。【対象】1992~2004年の間に自己組織のみでLateral Tunnel 型Fontan手術を施行した37症例のうち、外来で長期追跡可能であった30例を対象とした。手術時年齢1~27歳、平均5.4歳、観察期間は8~21.3年(平均16.8±3.4年)。肝線維化マーカーとして4型コラーゲンならびにヒアルロン酸を測定し、心外導管型Fontan手術群と比較検討した。【結果】自己組織F群では遠隔期死亡は1例aspleniaの敗血症による死亡、再手術は心筋障害による心移植1例(術後2年)、MRに対するMVPが1例(術後16年)の2例、1例にPLEが認められた。心房性不整脈は30例中7例でそのうち投薬治療継続を必要としたものは4例とECC群より高率であったが、4型コラーゲン241.5±112.3 ng/ml、ヒアルロン酸46.6±18.1 ng/ml、CVPは9.5±3.8mmHg CI :2.8±0.5l/minと当院外来通院中の心外導管型Fontan手術(4型コラーゲン313.7±117.0 ng/ml、ヒアルロン酸42±30.9 ng/ml)といずれも有意差なく良好な経過であった。【結論】自己組織Fontan手術の遠隔期成績は肝線維化マーカー推移を含めてほぼ満足のいくものであったが、心房性不整脈については今後もさらなる経過観察が必要と考えられる。