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[YB02-04] 3D心エコーを用いたファロー四徴症(TOF)術後の右室機能評価 - 心臓MRIと比較 -
Keywords:TOF、RT3DE、CMR
【背景】ファロー四徴症(TOF)心内修復術後における右室容量・機能評価が肺動脈閉鎖不全の重症度を判定するうえで重要で、心臓MRI(cMRI)による評価がGolden standardとされるが、近年、リアルタイム3D心エコー法(RT3DE)との相関が良好であるとの報告が散見される。【目的】RT3DEによるTOF術後の右室容量・機能評価についてcMRIと比較検討する。【対象】2014年3月から2015年12月までの間にcMRIとRT3DEを施行したTOF術後 50例(男32例:年齢1.4-31.1歳、中央値11.7歳)【方法】超音波装置はPhilips社製のiE33を使用し、full volume dataをTomTec社製RV Function 2.0 にて右室拡張末期容量RVEDV(ml)、収縮末期容量ESV(ml)、右室駆出分画 EF(%)、さらに3D画像からRV longitudinal strain%(中隔、自由壁側)、三尖弁輪移動距離TAPSE(mm) 、右室容積変化率RVFAC(%)を計測。CMRはPhilips社製1.5T装置を用いて、8mm slice でCINE画像を撮影し、RVEDV、ESV、EFを計測。両検査間の系統誤差はBland-Altman法による解析を行った。【結果】RVEDV index(ml/m2) ESV index(ml/m2) EF(%)についてはRT3DEとcMRI間でいずれにおいても強い相関を認めたが (RVEDVI r=0.91 p<0.01,ESVI r=0.85 p<0.01,EF r=0.61 p<0.01) EDVI、ESVIともに容量が大きくなるほど誤差のばらつきを生じた。EDVI 110ml/ m2以上では約14ml/ m2の誤差を認めた。一方、cMRI-EFとFACは中等度の相関(r=0.55 p<0.01)を認めたのみで、TAPSE、LS中隔、LS自由壁側(r=0.09,r=0.26,r=0.08)との相関は認めなかった。【結語】RT3DEによりTOF術後症例で右室容量・駆出率を比較的正確に定量的評価をすることが可能である。しかし、容量が大きくなるとecho window内に右室を収められないことが原因で誤差を生じる可能性があることを考慮する必要がある。