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[YB04-02] 大量ガンマグロブリン療法不応の川崎病に対するインフリキシマブ療法
Keywords:Kawasaki Disease、Infliximab、infusion reaction
【背景】インフリキシマブ(IFX)に難治性川崎病での保険適用が追加され、今後使用が増加することが予想される。国立成育医療研究センターではIVIG不応例に対して、倫理委員会の承認のもとプロトコールに従い、現在まで50例以上の投与経験をもつ。【目的】IFXの効果とその成績について検討する。【方法】2008年12月から2015年12月までにIFXを投与した症例について、電子診療録を用い後方視的に検討した。【結果】IFX投与は52回51例(男児31例)。KD発症時月齢は、35.0±22.7か月、小林スコアは6±2.6点で5点以上が37例 (76%)、IFX療法前の総IVIG投与量は、4.3±1.1g/kg、IFX療法前にIVIG以外の治療を受けたのは16例(31%)(内ステロイド15例)、IFX投与病日は10.9±3.8であった。のべ52例中35例(67%)で有効、追加治療不要症例は42例(81%)であった。有効例と無効例の比較では、発症時月齢(p=0.22)、IFX投与病日(p=0.31)、小林スコア(p=0.64)、治療開始前IVIG使用量(p=0.83)、IFX投与前のステロイド投与の有無(p=0.40)、10病日前と後でのIFX投与(p=1.0)と有意差を認めなかった。1か月時にCALの残存を認めた症例は、11例(21%)であり、CAL残存例とCAL非残存例での比較ではIFX無効例(p=0.01)、追加治療を要した症例が有意に多かった(p=0.001)が、それ以外の比較では同様に有意差を認めなかった。IFX投与後よりCALを認めたのは4例で、そのうちIFX有効例が2/4例で、3/4例が10病日以前にIFXを使用していた。副反応は11例(21%)に認め、再発のため2回目の投与を要した症例で、前投薬を行っていたがinfusion reactionを認めた。遠隔期の再燃は2例(4%)で認めた。【考察】IFXの有効性は追加療法不要例も含めると過去の報告と同等であり、無効例は有効例に比しCALの残存する可能性が高いが、その反応性に一定の傾向は認めなかった。複数回投与時にはinfusion reactionに注意する必要がある。