The 52st Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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要望演題

川崎病

要望演題4(YB04)
川崎病

Thu. Jul 7, 2016 9:00 AM - 10:20 AM 第B会場 (天空 センター)

座長:
鈴木 啓之(和歌山県立医科大学 小児科)
深澤 隆治(日本医科大学付属病院 小児科)

YB04-01~YB04-08

9:00 AM - 10:20 AM

[YB04-06] 川崎病急性期の好中球/リンパ球比、血小板/リンパ球比はIVIG治療抵抗性の予測因子になりうるか?

川村 陽一1, 金井 貴志1, 辻田 由喜1, 吉田 裕輔1, 竹下 誠一郎2, 野々山 恵章1 (1.防衛医科大学校 小児科, 2.防衛医科大学校 看護学科)

Keywords:川崎病、好中球/リンパ球比、血小板/リンパ球比

【緒言】近年、敗血症をはじめとする全身性の炎症性疾患や虚血性心疾患・糖尿病の領域において、好中球/リンパ球比(NLR)および血小板/リンパ球比(PLR)が長期予後や心合併症を予測するための新たな炎症性マーカーとして注目されるようになってきた。【目的】川崎病(KD)急性期のNLR、PLRがIVIG治療抵抗性の予測因子となりうるか検討する。【対象と方法】KDの診断で当院に入院し、IVIGで治療された405例(反応例320例、抵抗例85例)。月齢やIVIG開始病日等に加えNLR、PLRの他、治療開始前の血液検査所見を両群間で比較した。Receiving-operating characteristic curve(ROC)曲線を用いてIVIG治療抵抗性を予測する場合のcut-off値を求め、多変量解析を実施した。【結果】治療開始前の検査所見を2群間で比較した結果、反応群と比較して抵抗群ではNLR、PLR、AST、ALT、CRPが有意に高値であり、血小板数、Naが有意に低値であった。Cut-off値をNLR≧3.83に設定した場合の、他因子を調整したオッズ比は2.96 [95%信頼区間 1.26-6.97], P=0.01であった。またPLR≧150に設定した場合の調整済みオッズ比は2.27 [1.08-4.73], P=0.03であり、NLR、PLRともに治療抵抗性の独立した危険因子であることが示された。また、NLR≧3.83かつPLR≧150の場合の調整済オッズ比は3.59 [1.91-6.77], P<0.001と更に高値であった。【考察】血算の検査は全国にあるKD患児の入院可能な医療機関すべてにおいて測定可能な検査項目であり、NLR、PLRは安価で簡便かつ迅速に得ることができる。【結語】NLR高値かつPLR高値の組み合わせは、KDのIVIG治療抵抗性を予測する上で有用なバイオマーカーとなりうる。