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[YB08-02] 小児重症心不全症例におけるLVAD装着後の心機能回復とoff-pump trial
キーワード:左心補助循環装置、心不全、 off-pump trial
【背景】Berlin Heart EXCOREの認可により左心室補助循環装置(LVAD)の使用が小児の重症心不全治療の一つとして確立されつつある。しかし、あくまで心移植への橋渡しである。小児心移植の少ない日本においては、長期のLVAD管理を強いられるが、小児におけるLVAD装着後の心機能の回復やLVADからの離脱についての知見は乏しい。【目的】小児の重症心不全患者において、LVAD装着後の心機能の推移を明らかにし、off-pump テストを踏まえたLVAD離脱の可能性について検討すること。【方法】2014年1月から2015年12月の間に左室補助循環装置(LVAD)の導入を行った、15歳以下の患児5例(DCM 4例、idiopathic VF)に対して装着2-4ヶ月後にoff-pump trialを実施。【結果】2例はpump off直後に血圧が保てず中止、1例はoff後にCIが3.8L/min/m2 と保たれていたがPCWPは6から13mmHgと上昇したため中止。2例についてはCI 3-4L/min/m2,PCWP<10mmHgと保たれ、15分維持していた。【考察】off-trialにて心機能が良好な状態を維持する症例が存在する。しかしながらLVAD離脱の条件は左室がunloadingされている状態から、pump off時に心室への前、後負荷の増大に耐え心拍出を保つことであり、成人についてはCI>2.6L/min/m2、PCWP<13mmHg、RAP<10mmHgと離脱のcriteriaがあるが小児については体格など特有の問題も考慮して検討していく必要がある。【結論】bridge to transplantだけではなく、bridge to recoveryにつなげるためにも離脱し得る症例について今後も継続したoff-pump trialを行っていく必要がある。