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[I-EOP01-01] カテーテル治療によるASD閉鎖術の合併症に対する外科治療
Keywords:Amplatzer, カテーテル治療, 緊急手術
【背景】心房中隔欠損症(ASD)に対するカテーテル治療の増加と共に合併症も報告されている。一端発生するとその70%で外科治療を要し、緊急手術の死亡率は20%とされている。【目的】当院におけるカテーテル治療によるASD閉鎖術の合併症に対する外科治療について検討した。【方法】2006年8月から2016年12月まで、当センターでは412例にAmplatzerによるASD閉鎖術を施行し、3例(0.7%)で外科治療を必要とする合併症を認めた。【症例1】6歳3か月21.8kgの女児、カテーテルによるASD閉鎖術後、30分後から期外収縮が多発し、心臓超音波検査にて脱落したdeviceを採取しようとしたカテーテルが三尖弁に絡まり抜けなくなったため緊急手術となった。三尖弁腱索を傷つけないようdeviceを取り出し、ASDを自己心膜パッチで閉鎖した。後下縁のrimが欠損していた。【症例2】13歳40.9kgの男児、下縁欠損のASDに対しカテーテルによる閉鎖術を施行。術後3日目の退院前心臓超音波検査にてdeviceの脱落に気づき、緊急手術となった。右肺動脈分岐部にmigrationしていたdeviceを主肺動脈から取り出し、ASDを自己心膜パッチで閉鎖した。【症例3】12歳52.1kgの女児、ASD device閉鎖術後4年10か月が経過した後、急性心不全で搬送された。心のう液が貯留しておりAortic erosionによる大動脈からの出血と心タンポナーデと診断し緊急手術をおこなった。deviceは右房壁を貫いて上行大動脈基部に接し摩擦にて大動脈の穿孔をきたしていた。7歳時にAortic rimのないASDに対しAmplatzerによる閉鎖術を施行していた。【結語】カテーテルによるASD閉鎖術後に2例のmigrationと1例の遠隔期Aortic erosionの重篤な合併症3例を経験した。いずれも一部のrimが欠損しているASDであり、カテーテル閉鎖によるASD閉鎖の適応を決めるにあたっては十分慎重になるべきと考えられた。