The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

E-Oral Presentation

外科治療/外科治療遠隔成績

E-Oral Presentation 1 (I-EOP01)

Fri. Jul 7, 2017 6:00 PM - 7:00 PM E-Oral Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Shigemitsu Iwai(Department of Cardiovascular Surgery,Osaka Women's and Children's Hospital)

6:00 PM - 7:00 PM

[I-EOP01-02] 高度胎児徐脈に対する計画的治療

浅井 英嗣, 麻生 俊英, 武田 裕子, 太田 教隆, 小林 真理子, 岡田 拓, 大中臣 康子 (神奈川県立こども医療センター 心臓血管外科)

Keywords:胎児徐脈, ペースメーカー, SSA抗体

{はじめに}先天性完全房室ブロックは出生15,000-20,000例に1例の割合で発症する。以前は周産期死亡率が約30%と予後不良な疾患であったが近年の胎児診断技術の進歩や計画的な治療により救命される症例が増えてきている。当院では胎児診断された症例は厳重な母胎・胎児管理を行い胎児水腫や仮死などの心不全兆候をいち早く発見することで計画的な分娩時期の決定や一時的ペースメーカー装着などの治療介入を行っている。高度胎児徐脈と診断され当院で計画的治療を行った症例について検討した。{対象}2004年7月から2015年12月までに当院で診断・計画的治療を成された高度胎児徐脈の5症例。術後フォロー期間102±54ヶ月。{結果}在胎週数中央値24週(21-29週)で高度徐脈の胎児診断。4例がss抗体陽性の完全房室ブロック。1例が多脾症候群に単心室を合併した洞機能不全症候群(SSS)。全例で母胎に塩酸リトドリン投与し、中央値50bpm(40~60bpm)の心拍数が約10bpm上昇した。在胎週数中央値37週3日(33週3日-38週3日)、出生体重2600g(1602-3200g)、全例帝王切開で計画分娩し、出生後4.5時間(13分~23時間)で剣状突起下アプローチにて一時的ペーシングワイヤーを右室に装着した。その20日(3-43日)後に腋窩切開アプローチで永久ペースメーカーを植え込んだ。完全房室ブロックの4例でVVIとし、心奇形を合併したSSSではAAIを植え込んだ。心内奇形を合併した1例を高度心不全で失ったがその他の4例は経過良好である。{考察・結語}胎児診断に基づき母胎・胎児管理を行い計画的な分娩・ペースメーカー植え込みにて良好な結果を得た。ss抗体陽性患児では、拡張型心筋症や心内膜線維弾性症などの予後不良な合併症があるため今後も厳重な管理が必要である。