The 53rd Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

E-Oral Presentation

川崎病・冠動脈・血管

E-Oral Presentation 3 (I-EOP03)

Fri. Jul 7, 2017 6:00 PM - 7:00 PM E-Oral Presentation Area (Exhibition and Event Hall)

Chair:Takamichi Ishikawa(Department of Pediatrics, Hamamatsu University School of Medicine)

6:00 PM - 7:00 PM

[I-EOP03-04] 当院における川崎病プレドニゾロン初期併用療法の有用性の検討

益田 君教, 野村 裕一, 高橋 宣宏, 中江 広治, 森田 康子, 楠生 亮 (鹿児島市立病院 小児科)

Keywords:川崎病, 川崎病初期治療, プレドニゾロン併用療法

【背景・目的】近年川崎病重症例に対して初期治療強化が行われるようになってきている。当院でも2013年から小林スコアで層別化を行い5点以上のハイリスク群には、初期治療として免疫グロブリン大量療法(IVIG)に加えプレドニゾロン(PSL)併用療法を行っている。当院におけるPSL初期併用療法の効果を検討した。【対象・方法】2011年1月から2016年11月に当院で川崎病初期治療を行った症例は369例であった。369例のうち小林スコアハイリスク群の76例にIVIG単独治療を、51例にPSL初期併用療法を行った。この2群間で比較検討を行った。【結果】IVIG不応例はIVIG単独群で35.5%、PSL併用群で15.7%と、PSL併用群で有意に低値であった(p=0.014)。しかし、再燃例はIVIG単独群9.2%、PSL併用群11.8%と有意差はなかった。小林スコア8点以上の症例では、初回IVIG投与後追加治療を必要としなかった症例は、IVIG単独群で23.1%、PSL併用群で81.3%とPSL併用群で有意に高頻度であった(p=0.002)。冠動脈後遺症はIVIG単独群3例、PSL併用群1例で、すべてが再燃例であった。PSL併用群の1例は血漿交換施術直後に冠動脈瘤破裂により死亡した。【考案】川崎病初期治療におけるPSL併用療法の有用性が再確認された。特にその有用性は小林スコア8点以上で顕著であった。第23回川崎病全国統計ではステロイド使用例の増加と、死亡例の増加が報告されておりその因果関係は不明であるが、ステロイド併用療法では再燃例や冠動脈異常に対してより慎重な経過観察が重要であると考えられる。