18:00 〜 19:00
[I-EOP03-07] 血漿交換療法は川崎病後の巨大冠動脈瘤形成を軽減させるか?
キーワード:川崎病, 巨大冠動脈瘤, 血漿交換
【背景】川崎病の発見から半世紀が経つが,未だに冠動脈瘤形成の発症機序は明らかではなく,急性期の治療方針も多様である.川崎病後の冠動脈瘤形成のうち,巨大冠動脈瘤は約0.2%に認められ,QOL及び長期予後の観点から特に予防すべき合併症である.当院は県内唯一の小児ICUを持つ施設であり,難治性川崎病の患者を集約化し,治療を行っている.2012年1月に当院で最初の血漿交換療法(以下,PE)を施行して以降,難治例に対しPEを行っている.
【目的】川崎病後の冠動脈瘤に対するPEの有用性を明らかにする.
【対象及び方法】2006年4月1日~2016年12月31日の川崎病の症例241例について,PEを施行していない前期(2006年4月1日~2011年12月31日)とPEを施行した後期(2012年1月1日~2016年12月31日)の2群に分け,両者の臨床症状及び検査結果,冠動脈瘤の有無について診療録から後方視的に検討した.
【結果】前期93例,後期148例であった(後期には治験(KAICA trial)に参加した6例を含む) .後期ではPEは7例に施行した.前期における冠動脈瘤は16例(17%),後期では24例(16%)で,このうち巨大冠動脈瘤は前期6例(6.5%),後期2例(1.4%)であり,有意に前期に多い結果であった.
【考察】川崎病に対する血漿交換療法の有用性については,冠動脈瘤の発症前が有効であるとの報告がある.当院での巨大冠動脈瘤の発症は,PE導入前に多く,導入後に減少した.PEそのものが巨大冠動脈瘤の発症に有用であった可能性を示唆する.またPEの導入時に,県内の医療機関に搬送のタイミングや難治例に対する治療方針を周知したことも関与した可能性がある.
【結論】血漿交換療法は川崎病後の巨大冠動脈瘤形成を軽減させうる.
【目的】川崎病後の冠動脈瘤に対するPEの有用性を明らかにする.
【対象及び方法】2006年4月1日~2016年12月31日の川崎病の症例241例について,PEを施行していない前期(2006年4月1日~2011年12月31日)とPEを施行した後期(2012年1月1日~2016年12月31日)の2群に分け,両者の臨床症状及び検査結果,冠動脈瘤の有無について診療録から後方視的に検討した.
【結果】前期93例,後期148例であった(後期には治験(KAICA trial)に参加した6例を含む) .後期ではPEは7例に施行した.前期における冠動脈瘤は16例(17%),後期では24例(16%)で,このうち巨大冠動脈瘤は前期6例(6.5%),後期2例(1.4%)であり,有意に前期に多い結果であった.
【考察】川崎病に対する血漿交換療法の有用性については,冠動脈瘤の発症前が有効であるとの報告がある.当院での巨大冠動脈瘤の発症は,PE導入前に多く,導入後に減少した.PEそのものが巨大冠動脈瘤の発症に有用であった可能性を示唆する.またPEの導入時に,県内の医療機関に搬送のタイミングや難治例に対する治療方針を周知したことも関与した可能性がある.
【結論】血漿交換療法は川崎病後の巨大冠動脈瘤形成を軽減させうる.